米中交渉が継続されれば、最悪の事態は回避

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

米国金融市場が大きく変動

ISM製造業指数の下振れとトランプ大統領の対中追加関税表明が背景

 

■1日の米金融市場は大きく変動しました。米10年国債利回りは午前中、7月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数が51.2と市場の予想に反して前月から低下し、約3年ぶりの低水準となったことを受け、低下基調となりました。午後になってトランプ大統領が中国への追加関税についてツイッターで表明した後、米10年国債利回りはさらに低下し、前日差▲0.12%ポイントの1.894%で引けました。株式市場も調整を余儀なくされました。NYダウ指数は前日比▲1.0%の2万6,583.42ドル、S&P500種指数は同▲0.9%の2,953.56ポイントで引けました。ドル円レートは一時107.26円までドル安・円高が進み、WTIは同▲7.9%の53.95ドルで引けました。

 

 

トランプ大統領は対中追加関税第4弾の発動を表明

 

■8月1日にトランプ大統領はツイッターで、9月1日から中国からの輸入品目約3,000億ドルに対して10%の追加関税を実施すると表明しました。トランプ大統領は、中国が一旦合意した事項を再交渉してきたことや米国の農産物の輸入が実施されていないこと、鎮痛剤であるフェンタニルの米国への販売停止を行っていないことを批判した上で、今回の追加関税措置を表明しました。さらに、トランプ大統領は対中通商交渉が滞ったままなら、追加関税率をさらに引き上げる可能性があると述べました。

 

[図表]米国の対中追加関税の見通し (出所)各種報道を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表]米国の対中追加関税の見通し
(出所)各種報道を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

米中交渉が継続されれば、最悪の事態は回避

 

■対中追加関税第4弾が発動されるまで1カ月間あることから、実際に導入されるかどうかは依然不透明です。今後1-2週間で詳細が公表される見通しですが、現時点で中国の反応は確認できません。今回の追加関税については、中国が主張する相互尊重については後退し、また、直前まで農産物の輸入の件をファーウェイへの規制緩和と絡めて交渉していた点を考慮すると、中国が再び態度を硬化させる可能性もあります。ただ、9月1日に追加関税が発動されても米中交渉が継続するのであれば、決裂する最悪の事態は回避されると思われます。

 

■なお、今回の追加関税が実施されれば、世界経済を▲0.3%ポイント押し下げると推計されます。成長率の下振れは世界の株式市場へは▲4%程度の下押し圧力として作用すると推計されます。景気の下振れリスクが高まることから米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げもさらに1~2回増えるとみる必要がありそうです。米10年国債利回りはさらに低下する可能性があります。米国株式市場は、成長率の下振れから調整が続く可能性がありますが、追加の緩和期待が続くことで底割れは回避できると見られます。

 

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米中交渉が継続されれば、最悪の事態は回避』を参照)。

 

(2019年8月2日)

 

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調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

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連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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