投機筋が介入する可能性の高い銘柄をリストアップ
「低位株投資」の醍醐味は、なんといっても株価が短期間で2倍、3倍に急騰することにあります。株価が相対的に低水準にある低位株なら、ひとたび相場に火が付けば200円から400円に、400円が600円に・・・と一気に高値圏に駆け上がっていきます。
このような大相場の立役者は、短期的な利益を追求する“投機筋”です。彼らの狙いは、最終的に一般投資家を巻き込むことで、株価を大きく上昇させて自分たちが売り抜けることにあります。
これから本連載で筆者が紹介する「低位株」投資は、こうした投機筋が介入する可能性の高い銘柄を事前にリストアップしておき、常に「監視銘柄」としてウォッチすることから始めます。そして彼らが介入した(そうした兆候が現れた)と判断できたら、急騰直前にすぐさまその銘柄を仕込むという手法です。そして、一般の個人投資家が何も知らずに参戦するのを傍観し、高値圏で素早く利益確定を行うのです。
取引を頻繁に繰り返す必要はない
短期間に大きく上振れする変動率を利益に変える「低位株」投資は、ともすればデイトレードでなければ儲けられない、といったイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、筆者が提案する戦略は、一日中パソコンの前に張り付いて何度も売買を繰り返すといった手間のかかるものではありません。事前にリストアップしておいた低位株の中から、ある一定のパターンが現れた銘柄だけを狙い撃ちする、いわば狩猟型の短期トレードです。そのため、年に数回だけの取引でも十分に大勝ちすることが可能です。もっといえば、タイミングが来た瞬間だけ買いを入れればよく、むしろ下手な鉄砲で数だけを打っている人の方が断然トータルでは大負けしているのです。
もちろんスキルや投資経験との関係性もあるため、慣れた人に限っては、手数を増やすことで利益を伸ばしている人もいます。しかし、多くの人にとって手数は諸刃の剣で、手数が多いほどリスクを取る回数が増えるために損をしやすくなります。そうではなく、筆者が皆さんに実践していただきたいのは、狙った獲物が十分に接近したところで、確実に仕留めるという取引です。
大化け銘柄の「パターン認識スキル」を磨く
ではエントリーのタイミングをとうやって見極めるのか? それは“パターン認識スキル”を磨くことです。低位株は優良株と違って大口の資金があまり頻繁に入りません。つまり、資金が入る時期と入ってこない時期が明確に分かれることから、投機筋の行動は非常に分かりやすく、似たようなパターンになる傾向があります。
筆者は証券会社でのディーラー時代に、さまざまな投機筋がどのような銘柄に目を付け、どのように相場を演出するのかを、ずっと間近で見てきました。そうした経験から、彼らの行動がパターン化されていることに気付きました。さらに、そのパターンは30年を経た今なお継続しているのです。したがって、取引をしていない期間は、一発一発を確実に的に命中させるために、“パターン認識スキル”を身に付けることに力を注いでください。
こうした一連の流れをまとめると、「低位株」投資で重要なポイントは次の三つということになります。
1.監視する銘柄抽出
投機筋が介入する可能性の高い銘柄を事前にリストアップしておく
2.上昇タイミングの見極め
投機筋が介入したであろうサインを確認したら、急騰直前にすぐさまその銘柄を仕込む
3.利益を確実に出す売り抜け方
株価上昇中に素早く利益確定を行う
この三つのポイントに沿って、これからどのようにすれば皆さんが「低位株」投資で利益を出せるのかを解説していきたいと思います。