実践的基礎知識 投資信託編(4)<投資信託のコスト>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

投資信託のコスト

投資信託に投資する場合、購入時、保有期間中、換金時に手数料や費用がかかる場合があります。今回はこうした投資信託の様々なコストについてご説明します。

 

 

投資信託購入時にかかるコスト

まずは投資信託のコストのうち、購入時にかかるコストである購入時手数料についてご説明します。投資信託に関わる主な会社には販売会社、委託会社、受託会社があります。購入時手数料は投資信託を購入する際の説明や事務手続き等の対価として、販売会社に支払う手数料です。つまり、購入時手数料は販売会社のみが受け取る手数料で、その他の委託会社や受託会社は受け取っていません。

 

交付目論見書等には「手数料の額は、例えば3.78%(税抜3.5%)の手数料を上限として販売会社がそれぞれ独自に定めるものとします。」というような記載があります。よって、購入時手数料は販売会社が自由に決めることができ、ノーロード(購入時手数料無料)の投資信託もあります。また全く同じ投資信託を購入する場合においても、異なる販売会社で購入すると、購入時手数料が違う場合があります。

投資信託の保有期間中にかかるコスト

次に保有期間中にかかるコストである信託報酬についてご説明します。投資信託の運営・運用にはお金がかかります。投資信託に主に関わる会社は3社です。信託報酬は委託会社だけに支払われているわけではなくこれら3社に支払われます。

 

信託報酬は年率で目論見書等に記載され、日々時価に対し1日分がファンドから差し引かれています。時価は毎日変動するうえ、いつでも購入・換金が出来るオープン型ファンドでは毎日、設定・解約が出来ますので、事前に信託報酬額を表示することは出来ません。実際に信託報酬がどのくらいかかったかは運用報告書で把握することができます。日々算出されている基準価額は信託報酬が控除された後の数字です。

 

●販売会社:投資信託を販売している会社(証券会社/銀行等)

●委託会社:運用指図を行う会社(運用会社)

●受託会社:信託財産の保管及び管理を行う会社(信託銀行等)

 

その他、上記の費用以外にも、それぞれの投資信託において発生する費用があります。詳しくは目論見書などでご確認下さい。
その他、上記の費用以外にも、それぞれの投資信託において発生する費用があります。詳しくは目論見書などでご確認下さい。

投資信託の運用形態

次は投資先ファンドにかかるコストについてご説明します。まず、投資信託にはファンド・オブ・ファンズやファミリーファンドで運用しているものがあります。

 

ファンド・オブ・ファンズは投資家が購入する投資信託で直接、株式や債券などの資産に投資するのではなく、株式や債券などを組み入れたファンドに投資する投資信託です。メリットはいくつかありますが、まずは様々な資産に投資をするバランスファンドを考えてみましょう。株式や債券など様々な資産に投資をする場合、ひとつの運用会社に全ての運用を任せるのではなく、それぞれ株式の運用が得意な会社、債券の運用が得意な会社に任せることができます。また投資家が直接購入する国内投信の利便性はそのまま、投資先ファンドを外国籍にすることで海外の信託銀行を活用することもできます。日本の信託銀行はまだまだ投資可能国が少なく、この方式でないと投資できない国もたくさんあります。

 

ファミリーファンドの運用は投資家が購入する投資信託をベビーファンドとして、各ベビーファンドで集まった資金をマザーファンドで一括して運用する方式です。実質的な運用をマザーファンドで行うことによって、効率的に運用したり、規模のメリットを活かした売買コストの削減等のメリットがあります。

投資先ファンドのコスト

ファミリーファンドのマザーファンドでは通常、信託報酬が設定されず、ベビーファンドで信託報酬を控除するため、ベビーファンド毎に異なるコスト設定が可能です。

 

一方、ファンド・オブ・ファンズの場合、投資先ファンドにも管理報酬などの費用がかかります。つまり、投資家が購入する投資信託とその投資先のファンドで二重にコストがかかることになります。例えば、投資先ファンドにおいても管理報酬、サービス報酬、保管受託銀行報酬、などがあります。これらの費用がどのくらいかかったのかは運用報告書で確認することができます。ただし、ファンド・オブ・ファンズで運用するために最初からファンド・オブ・ファンズに組入れる目的で設定した投資先ファンドを用意する場合があります。この場合は一体型で設計され、例えばファミリーファンドでは1%程度のコストのものを、ファンド・オブ・ファンズで設計し、ファンド・オブ・ファンズの信託報酬を0.5%、投資先ファンドで0.5%で、合計1%程度になるようにするといったケースもあります。

 

信託報酬は算出されている基準価額から控除されていますので、購入を検討している投資信託がファンド・オブ・ファンズだった場合には、目論見書等で投資先のファンドの管理報酬等を合わせた実質的な負担がどのくらいになるのかを確認する必要があります。実際のコストは組入れファンドの比率等で変わりますので、一般的に最大で何%程度になるかという目安が表示されます。

その他の費用・手数料

続いて信託報酬以外のコストについてご説明します。投資信託の目論見書などには「その他費用・手数料」という項目があります。具体的にはどのような費用なのでしょうか。

 

まずは、主に投資信託の事務にかかる費用です。公募の投資信託は監査法人による監査を受けていますが、その監査法人に支払うファンドの財務諸表の監査にかかる費用です。監査報告書は目論見書でも確認することができます。

 

また「金融商品取引法」や「投資信託及び投資法人に関する法律」では情報開示が求められており、そのために作成される有価証券届出書、目論見書や運用報告書等の法定開示資料のために要する費用もあります。例えば、目論見書を印刷したり、販売会社に納品するための発送費がこれに含まれます。

 

次にファンドに組入れている有価証券の売買や保管にかかる費用があります。例えば、株式に投資しているファンドの場合、株式売買の際に証券会社に支払う売買委託手数料があります。加えて税金等もかかります。これらは個人の株式投資でも必要な費用のため、理解しやすいと思います。

 

また、その他の手数料として債券取引や為替取引に伴う手数料もあります。これらの手数料は取引価格に含まれるため損益として認識されますが、費用の性格を持ちます。よって、受益者が直接的に支払うのではなく、信託財産の中から間接的に支払うコストとなります。

 

最後に信託財産留保額です。投資信託を購入または解約する際に手数料とは別に徴収される費用です。信託財産留保額はファンドの資金流出入に伴う有価証券の売買コストをまかなうためのもので、販売会社や運用会社、受託会社が受け取るものではなく信託財産に留保されるものです。この信託財産留保額は投資信託によって差し引かれるものと差し引かれないものとがありますが、その有無による違いは、各受益者が自分の購入・解約に伴い発生するコストを自分で負担するか、受益者全員で負担するかの違いと言えます。

 

このように投資信託には様々なコストがかかります。しかし、そのコストには正当な理由があるということもご理解下さい。

 

 

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 投資信託編(4)<投資信託のコスト>』を参照)。

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTET・投資初心者のための実践的基礎講座

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