実践的基礎知識 投資信託編(2) <投資信託購入時の口数の変化と収益調整金について>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

投資信託購入時の口数変化と収益調整金について

投資信託の純資産総額は、組入資産の時価を円換算して合計し、運用にかかるコスト等を差し引くことで計算できます。この純資産総額を総口数で割り、1口当たりの価値で示したものが基準価額です。投資信託の購入時には、購入者は新たに発行される受益権を買う形となり、投資信託に資金流入があった場合、投資信託全体の口数が増加します。また、保有者間で分配金の受け取りに不公平が生じないように調整する仕組みを収益調整金と言います。

投資信託の純資産総額・基準価額

前回ご説明した通り、投資信託は1口当たりの純資産総額である基準価額で取引します。では、投資信託の純資産総額はどのように算出するのでしょうか。

 

 

投資信託は箱のようなイメージの金融商品です。多くの投資家から集めた資金をまとめた箱のような投資信託に、株式や債券など様々な資産が入っています。投信信託の運用会社は、銘柄ごとに、【単価】×【保有数量】×【為替レート】で円換算の時価を算出し、箱の中に入っている株式や債券などの合計時価を毎日計算します。

 

例えば、ある投資信託が、米国株Aを100株、日本株Bを20株、豪ドル建て債券Cを100保有していたとします。米国株Aの株価が200米ドル、日本株Bの株価が40,000円、豪ドル建て債券Cの価格が100豪ドルだった場合、それぞれの時価は、米国株Aが20,000米ドル、日本株Bが80万円、豪ドル建て債券Cが10,000豪ドルとなります。通貨がばらばらだとそれぞれの資産の合計ができませんので、その時の為替レートを用いて円に換算します。ドル円、豪ドル円の為替レートがそれぞれ120円、80円だった場合、米国株Aは240万円、豪ドル建て債券Cは80万円となります。したがって、この投資信託が保有する資産価値の合計は、400万円となります(図表1)。この資産価値の合計から、運用コスト等を差し引いたものが純資産総額です。

 

[図表1]純資産総額の計算のイメージ
[図表1]純資産総額の計算のイメージ

 

基準価額は1口当たりの純資産額ですので、純資産総額を総口数で割って計算します。純資産総額が400万円で口数が500万口だった場合、1口当たりの純資産額は0.8円となります。扱いやすくするために小数点以下第4位までを1万口当たりで表示すると、8,000円となります。

 

ところで、純資産総額はどのような要因によって変動するのでしょうか。純資産総額は、組み入れている資産の時価が上昇すれば、増加します。また、時価が上昇していなくても、資金流入があれば増加します。したがって、純資産総額は主に①組み入れ資産の時価の変動と②資金流出入で変動します。

 

一方、基準価額は主に①組み入れ資産の時価の変動で変化します。

 

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  純資産総額の主な変動要因  

   ①組み入れ資産の時価の変動
   ②資金流出入

  基準価額の主な変動要因 

   ①組み入れ資産の時価の変動

投資信託購入時の口数変化

投資信託の購入があった場合、口数はどのように変化するのでしょうか。日経平均株価に連動する投資信託の例で考えてみましょう。分かりやすくするために、便宜上コストはかからないものとします。

 

例えば、5月1日に日経平均株価に連動する投資信託が、1万口、10,000円で設定されたとします。Aさんはこの投資信託を設定時に購入しました。この時の純資産総額は10,000円で総口数は1万口、1口当たりの基準価額は1円、1万口当りの基準価額は10,000円となります。

 

6月1日、日経平均株価は5月1日と比べて10%上昇しました。この投資信託の基準価額も10%上昇し、11,000円となります。ここでBさんが追加で購入したとします。投資信託を購入する際は、新たに発行される受益権を買います。受益権1万口を購入したとすると、総口数は2万口となります。純資産総額は22,000円ですから、1万口当たりの純資産、つまり基準価額は11,000円と計算できます(図表2)。

 

[図表2]投資信託購入時の純資産総額と口数変化
[図表2]投資信託購入時の純資産総額と口数変化

 

このように投資信託の購入時は、購入者は新たに発行される受益権を買う形となり、投資信託に資金流入があった場合、投資信託全体の口数が増加します。また、追加購入者は1万口当たりの純資産の値段である基準価額分のお金を支払います。

収益調整金

投資信託の中には、分配金を払い出すタイプのファンドがあります。分配金は、①配当等収益(経費控除後)、②有価証券売買益・評価益(経費控除後)、③分配準備積立金、④収益調整金を合計した分配対象収益(分配原資)の範囲の中から支払われます。先ほどの例で考えてみましょう。

 

Aさんは投資信託を5月1日に基準価額10,000円で購入し、6月1日に11,000円となりました。Aさんの個別元本は10,000円、評価益は1,000円となります。一方Bさんは、6月1日に基準価額11,000円で購入しましたので、評価益は0円です。

 

この投資信託は、6月2日に決算を行って分配金を支払うとします。また、6月2日の基準価額は前日と変わりませんでした。元本が21,000円、評価益を1,000円とした場合、評価益1,000円を二人で分けることになってしまいますが、この1,000円はAさんの評価益です。このことを避けるための仕組みが収益調整金です。Bさんの基準価額11,000円の内、10,000円を元本、1,000円を収益調整金と分類します。投資信託全体の元本は20,000円、評価益と収益調整金の合計が2,000円となります。この2,000円を二人で分けるのであれば、Aさんに不利は生じません(図表3)。

 

[図表3]収益調整金
[図表3]収益調整金

 

このように収益調整金とは、追加購入によって口数が増加した際に、保有者間に不公平が生じないように調整する仕組みと言えます。

 

データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 投資信託編(2)<投資信託購入時の口数の変化と収益調整金について>』を参照)。

 

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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