利下げ期待で長期金利低下も、底堅い豪ドル

現状維持が続く豪州の金融政策(2019年4月)/デイリーマーケットレポート

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 調査部
利下げ期待で長期金利低下も、底堅い豪ドル

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

金融政策は現状維持

政策金利は1.50%に据え置き

 

■豪州準備銀行(RBA)は、4月2日に開催した金融政策決定会合で、事前の市場予想通り、政策金利を1.50%に据え置きました。

 

消費者物価指数と政策金利

(注)消費者物価指数は2013年1-3月期~2018年10-12月期。消費者物価指数は異常値をつけた項目を除外したトリム平均値。政策金利は2013年3月31日~2019年4月1日。 (出所)Bloomberg L.P.、オーストラリア統計局のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注)消費者物価指数は2013年1-3月期~2018年10-12月期。消費者物価指数は異常値をつけた項目を除外したトリム平均値。政策金利は2013年3月31日~2019年4月1日。
(出所)Bloomberg L.P.、オーストラリア統計局のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

労働市場は依然堅調

消費の低迷により経済は減速

 

■公表された声明文では、最新2月の失業率は4.9%まで改善するなど、豪州の労働市場は依然強いと指摘されています。

 

■一方で、先月発表された2018年10-12月期の実質GDP成長率は前期比+0.2%と減速しました。これは、可処分所得の長期的な低迷と住宅市場の調整の影響により、消費が弱いと見られるほか、一部の地域で発生している干ばつの影響も指摘されています。ただし、公共投資や民間投資の増加によって豪州の経済成長は下支えされているとRBAは見ています。

 

 

金融政策は当面据え置き、豪ドルは底堅い見込み

 

■現在RBAは、金融政策について中立的な姿勢を示しています。そうした中で、GDP成長率の減速が示されたことで金融市場では利下げ期待が高まっており、豪州の債券利回りは歴史的な低水準にまで低下しています。RBAは、労働市場は依然強くインフレが安定しているとしており、当面は豪州の経済成長を慎重に見ながらも、現在の金融政策を据え置くと見られます。

 

■一方で、豪州の主要貿易相手国である中国と、米国の通商協議は進展が期待されていることから、豪ドルの対円レートは底堅く推移することが見込まれます。

 

豪ドル円レートと日豪金利差

(注1)データは2018年1月1日~2019年4月1日。 (注2)金利差は豪州-日本。金利はともに3年国債利回り。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
(注1)データは2018年1月1日~2019年4月1日。
(注2)金利差は豪州-日本。金利はともに3年国債利回り。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

(2019年4月2日)

 

関連マーケットレポート

2019年4月01日 2019年度の経済と金融市場
2019年3月12日 吉川レポート(2019年3月)経済統計の弱さ vs. 政策効果

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