金融政策は現状維持
政策金利は1.50%に据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、4月2日に開催した金融政策決定会合で、事前の市場予想通り、政策金利を1.50%に据え置きました。
消費者物価指数と政策金利
労働市場は依然堅調
消費の低迷により経済は減速
■公表された声明文では、最新2月の失業率は4.9%まで改善するなど、豪州の労働市場は依然強いと指摘されています。
■一方で、先月発表された2018年10-12月期の実質GDP成長率は前期比+0.2%と減速しました。これは、可処分所得の長期的な低迷と住宅市場の調整の影響により、消費が弱いと見られるほか、一部の地域で発生している干ばつの影響も指摘されています。ただし、公共投資や民間投資の増加によって豪州の経済成長は下支えされているとRBAは見ています。
金融政策は当面据え置き、豪ドルは底堅い見込み
■現在RBAは、金融政策について中立的な姿勢を示しています。そうした中で、GDP成長率の減速が示されたことで金融市場では利下げ期待が高まっており、豪州の債券利回りは歴史的な低水準にまで低下しています。RBAは、労働市場は依然強くインフレが安定しているとしており、当面は豪州の経済成長を慎重に見ながらも、現在の金融政策を据え置くと見られます。
■一方で、豪州の主要貿易相手国である中国と、米国の通商協議は進展が期待されていることから、豪ドルの対円レートは底堅く推移することが見込まれます。
豪ドル円レートと日豪金利差
(2019年4月2日)
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