政策金利は据え置き
全会一致の決定
■米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、3月19日、20日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを2.25%~2.50%で据え置きました。
政策金利と物価上昇率の推移
国内経済は昨年より減速
19年の物価は目標を下回る見通し
■FRBは、国内経済について、労働市場の状態は力強く、経済活動は拡大していくと見ているものの、足元で景気は減速しているとしています。また、物価上昇率について、低水準の原油価格などが影響し、2019年の物価上昇率はFRBの目標を下回ると見ています。
■FRBは物価の安定を使命のひとつとしており、今後はインフレ期待をいかにして高めていくかがポイントとなりそうです。
利上げは打ち止め、バランスシート縮小は9月末で終了
■今回のFOMCでは、参加メンバーが想定する2019年の利上げ回数が、前回2018年12月時点の2回から、0回へと引き下げられました。インフレ期待が高まらないため、利上げは実質的に打ち止めになったと考えることができそうです。
■一方、FRBのバランスシート縮小プログラムについては、今年5月からは資産圧縮のペースを緩やかにし、9月には完全に圧縮を停止すると発表しました。
■今回のFOMCはハト派的と受け止められ、20日は長期金利と米ドルが低下しました。また、米国株式は1日遅れて21日に上昇しました。
FOMC参加者の経済見通し
(2019年3月22日)
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