10-12月期の成長率は鈍化
消費の低迷や輸出の減少などが影響
■3月6日に公表された2018年10-12月期の豪州の実質GDP成長率は前期比+0.2%となり、前期の同+0.3%や市場予想の同+0.3%を下回りました。個人消費が低迷しているほか、輸出の減少により純輸出が4四半期ぶりにマイナスとなりました。
豪州のGDP成長率(前期比)と寄与度
金融政策は据え置き
RBAは労働市場の強さなどを指摘
■豪州準備銀行(RBA)は、3月5日の金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置きました。
■声明文では、世界経済については緩慢な成長が2019年に入っても続いているとの認識を示しました。豪州経済については、労働市場は依然強いが、インフレは低位で安定しているとの見方を示しました。その他の経済指標は2018年後半にかけて豪州経済が減速したことを示唆していると指摘しました。
■RBAの基本的な見方はこれまでと大きく変わらず、2019年の成長率は年率約3%と予想されています。
消費者物価指数と政策金利
豪ドルは底堅い見込み
■実質GDP成長率が市場予想を下回ったことを受けて、豪ドルはやや下落しています。世界経済の緩慢な成長の背景にあると考えられる米中貿易摩擦では、関税引き上げが延期されました。また、中国は全国人民代表大会で大型減税など景気対策を発表しており、今後、景気は持ち直すと見込まれます。これらは豪ドル相場を下支えすると見られます。
豪ドルの対円レートと日豪金利差
(2019年3月7日)
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