近距離便に多用されるATR72、巡航速度が速いDHC-8
前回は、航空機リースを使った節税商品のひとつである、小型航空機の特徴をご説明しました。今回は、様々な小型航空機の種類についてお話します。
1.ターボプロップ(双発型)
【ATR72】
全 長・・・・27.19m
定員数・・・・64~72席
巡航速度・・・最大526km/h
航続距離・・・3889km
運用開始・・・1986年
メーカーはフランスのアエロスパシアル(現エアバス・グループ)とイタリアのアエリタリア(現アレーニア・アエロナウティカ)が1982年に設立した共同事業体です。近距離便で使用されることが多く、カリビアン航空、LOTポーランド航空、チェコ航空などが採用しています。日本では、日本エアコミューターが日本の航空会社として初めて発注しました。
【DHC8】
全 長・・・・32.84m
定員数・・・・68~78席
巡航速度・・・最大667km/h
航続距離・・・2522km
運用開始・・・2000年
メーカーはカナダのデ・ハビランド・カナダ社(その後、ボンバルディア・エアロスペース社に買収)です。総生産機数は800機以上であり、現在の最新シリーズはQ400CC(DHC-8-Q400CC)です。巡航速度が700km/hとターボプロップ機の中では高速の部類に入ります。日本ではYS-11の後継機として導入が進み、日本エアコミューターが2003年より運航を開始しています。
【YS-11】
全 長・・・・26.30m
定員数・・・・56~64席
巡航速度・・・最大480km/h
航続距離・・・2200km
運用開始・・・1965年
日本が第二次世界大戦後、初めて開発した航空機です。東京オリンピック時には、この航空機で聖火を全国に運んだそうです。日本航空や全日本空輸だけでなく、大韓航空、中華航空、フィリピン航空などアジア各国にも納入されました。航空法改正により2006年に民間定期路線からは引退をしました。
小型航空機の代名詞「セスナ」、今後要注目のKODIAK
2.ターボプロップ(単発型)
【208キャラバン】
全 長・・・・11.46m
定員数・・・・10~14席
巡航速度・・・最大344km/h
航続距離・・・約2000km
運用開始・・・1982年
メーカーはアメリカのセスナ・エアクラフト・カンパニーです。セスナ社は単発型の航空機の製造を得意としており、市場シェア50%以上を占めています。日本でも小型航空機=セスナ機といわれるほどの認知度を誇っています。遊覧飛行やエアタクシー、貨物輸送などに使われており、別形の航空機は軍用機としても利用されています。また、フロート設備を取り付けることにより、水陸両用機としても利用できます。
【KODIAK】
全 長・・・・10.42m
定員数・・・・10席
巡航速度・・・最大339km/h
航続距離・・・約1800km
運用開始・・・2007年
メーカーはアメリカのクエスト・エアクラフト・カンパニーです。2015年2月に造船海運業などを行う、常石グループが買収しました。元々は国際人道支援用途に適した航空機の製造を目的に設立された企業であり、小型航空機専門のメーカーです。2007年からの運用開始であり、認知度はまだまだですが、離陸・着陸に必要な距離は約300mと世界トップレベルで短く、身近な移動手段、物資の輸送手段として注目をされ始めています。
上記はほんの一例であり、これ以外にも世界には小型航空機はたくさんあります。
これらの小型航空機に投資を行う理由は何でしょうか? 次回はその理由についてお伝えします。