リート市場は堅調推移
株価上昇と長期金利低位安定
■アジア・オセアニアのリート市場は、今年に入り、堅調な展開となっています。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げ路線の休止を示唆したことを契機に投資家のリスクオン(選好)姿勢が強まり、株式市場が上昇したことと長期金利が低位で安定推移したことが追い風となっています。
■年初来の騰落率(2月25日時点)を円ベースでみると、シンガポール市場は11.7%、香港市場が13.3%、オーストラリア市場が12.6%と各市場とも2桁を超えるリターンとなっています。
各国・地域の騰落率
利益成長と高い配当利回り、財務健全性が魅力
■リートは、利益成長を主因とするリート価格の上昇と、税制上の恩恵を受けた高い配当利回りの二つから投資収益が期待できるユニークな資産です。
■特にアジア・オセアニアのリートは域内経済や域内の貿易が堅調に伸びることが見込まれる中、安定的な賃料収入の伸びが期待できます。他の主要リート市場との比較において、相対的に配当利回りが高く、財務状況が良好なことも魅力です。
円ベース指数の推移
緩やかな景気減速の下でも高い投資魅力
■足元で主要国の経済指標が悪化するなど、2019年はグローバルに景気が減速するとみられますが、弊社は年央から年後半に世界経済が安定を取り戻すと想定しています。FRBの利上げが打ち止めとなる中、各国の長期金利は低位安定する見込みです。
■こうした環境下では、不動産賃料を主要な収入源とするリートの安定性が選好されやすいと考えられます。中でもアジア・オセアニアのリート市場については、域内の経済成長に伴い、リートの業績や配当金が着実に伸びていくことが見込まれます。加えて、相対的に高い配当利回りや財務の健全性から、投資対象として魅力度が高い資産の1つだと思われます。
(2019年2月27日)
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