2019年1月のバイオ医薬品市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

バイオ医薬品関連企業の株価動向

1月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。

 

毎年1月は、業界最大のイベントである「JPモルガン・ヘルスケア・コンファレンス」が開催されることから、バイオ医薬品企業にとって極めて重要な月です。バイオ医薬品企業がコンファレンスの席上で通年の業績と来期の業績見通しを、決算に先立って、発表することも少なくありません。コンファレンス開催前後の時期には、M&A(合併・買収)が活況を呈しますが、今年も例外ではありませんでした。中でも、2件の大型案件が注目されました。1件は医薬品大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(米国)によるバイオ医薬品大手セルジーン(米国)の買収で、買収総額は約740億ドルと過去最大級、もう1件は医薬品大手イーライ・リリー(米国) によるバイオ医薬品ロクソ・オンコロジー(米国)の買収で、買収総額は約80億ドルでした。これらのM&A(合併・買収)の発表を受け、がん分野に強みを持つ多くの銘柄の株価が上昇しました。

 

株価が上昇した銘柄では、シアトル・ジェネティックス(米国)が挙げられます。経営陣の強気の業績見通しが好感されました。ミラティ・セラピューティクス(米国)は、KRAS変異型がん治療薬候補の新規の治験と、ブリストル・マイヤーズ・スクイブと提携する肺がん治療薬候補の大型フェーズ3治験の開始計画を発表したことが大幅な株価上昇に繋がりました。セージ・セラピューティクス(米国)は、産後うつ病治療薬候補のフェーズ3治験の良好な結果が好感されました。同社の産後うつ病症患者を被験者とした治験の結果は、症状の驚異的な改善を示しており、米国で初の産後うつ病の治療薬として米食品医薬品局(FDA)から同社のZULRESSOは承認を受けるものと見られます。

 

一方で、株価が下落した銘柄では、ACイミューン(スイス)が挙げられます。提携するロシュ(スイス)が、アルツハイマー病治療薬候補の治験を中止したことが嫌気され、株価は急落しました。

今後のバイオ医薬品市場見通し

現在、医薬品に関連する医療費の議論で重要な転換が起こっています。いくつかの国では価値に応じた医療費の還付の制度が利用されており、処方薬で最大のマーケットである米国においても同様の制度を求める声は、ますます大きくなっています。医薬品企業と同様に政府、規制当局、保険業者は、医薬品の開発においてイノベーションを抑制することなく、医薬品の費用を効率的に管理することができる妥協案を見つけることを必要としています。

 

最も重要な利害関係者である患者は、破産のリスクにさらされることなく、高品質の治療を受けたいと考えています。これは、科学的側面だけでなく、ビジネスモデルや先進的な思考、価値に基づいた契約といった側面におけるイノベーションの最高の機会となると見られます。

 

 

米国の中間選挙期間中、薬価についての発言が増えましたが、大半の一般投資家は、このことには既に対応済みと考えられ、薬価に対する不透明感の解消やM&A(合併・買収)の活発化などは、バイオ医薬品関連市場への資金流入を促す可能性があります。一方で、そのような間でも、長期志向で、市場の非効率性に注目するアクティブ運用者にとっては、数多くの投資機会が存在するものと考えます。

 

[図表1]バイオ医薬品株価指数

(ナスダック・バイオテック指数)の推移

2019年1月31日時点 ※為替レート:対顧客電信売買相場の仲値 ※PSR:2019年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算出した株価売上高倍率 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
2019年1月31日時点
※為替レート:対顧客電信売買相場の仲値
※PSR:2019年1月末時点のナスダック・バイオテック指数構成銘柄を基に算出した株価売上高倍率
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年1月のバイオ医薬品市場』を参照)。

 

(2019年2月18日)

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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