2018年12月の水関連株式市場

グローバル/環境関連

ピクテ投信投資顧問株式会社
2018年12月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

12月の投資環境

12月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

 

世界の株式市場は、上旬に中国の大手通信機器メーカーの幹部が逮捕されたことを受けて、米中貿易摩擦が深刻化するとの懸念から大きく下落しました。また、米雇用統計が市場予想を下回る内容になるなど、景気の先行き懸念が高まる中、米国債の3年物の利回りが5年物を上回る逆イールドとなり、市場で今後の景気減速に対する不安が強まったことも、下落要因となりました。

 

下旬にかけても、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを発表したあとのコメントが、予想よりハト派的(金融緩和選好)ではなかったことや、米国の一部政府機関の閉鎖に対する懸念などを背景に下落し、月を通じては大幅に下落しました。業種別では、全ての業種が下落するなかで、景気減速懸念から資本財・サービスの下落率が大きくなりました。一方、公益セクターは、長期金利が月を通じて低下したことや、ディフェンシブ性が注目されたことから、相対的に小幅な下落にとどまりました。

 

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)は 市場と比べ小幅な下落にとどまりました。3つのセクターですべて下落となるなか、環境マネジメント・サービスセクターが最も小幅な下落となりました。同セクターにおいてコンサルティング関連のスタンテックは比較的小幅な下落に留まりました。米建設市場の見通しも引続き懸念が残り、住宅市場の見通しも鈍化が見込まれます。しかし、廃棄物処理関連銘柄の多くは良好な需給関係や廃棄物収集作業の効率化など業界全体の良好なファンダメンタルズが評価されました。

 

上下水道ビジネスセクターは、ディフェンシブ性の高い公益銘柄が注目され、特に英国の規制下の水道公益事業関連や新興国のコンセッション関連の銘柄は若干の下落に留まりました。英国の規制下の水道公益事業企業は、規制機関の決定に基づき向こう5年間の事業計画を提出しています。新興国のコンセッション関連ではブラジルのボルソナロ新政権への楽観的な見方からサンパウロ州基礎衛生公社などがブラジル株式市場の良好なパフォーマンスにけん引されました。

 

また、新政権が国有企業の効率化を促し民営化の機会を増やすなど、規制体制の改善を目指した「Sanitation Provisional Measure(公衆衛生の暫定指針) 」を復活させ、より企業に支援的な取り組みを強調していることから、ブラジルの水道企業にとってポジティブです。一方、中国ではペキン・エンタープライゼス・ウォーター・グループが先月の反動から軟調なパフォーマンスとなりました。

 

米国の規制下の水道公益事業関連では、アメリカン・ウォーター・ワークスが予想を上回る業績ガイダンスにより強固なファンダメンタルズや事業戦略が確認されたにも関わらず下落しました。欧州のコンセッション関連でも、スエズが新CEOが社内から任命され2019年の減配に対する懸念が和らいだにも関わらず下落しました。

 

装置製造エンジニアリングセクターは、市場のボラティリティの高まりにより、特に多角経営企業とモニタリング関連企業の下落幅が大きくなりました。消費者関連もまた個人支出が軟調であったことが関連銘柄全体に影響し下落しました。一方、農業関連は貿易問題に直面しているのにも関わらず、安定したコモディティ価格から比較的小幅な下落となりました。

 

[図表1]水関連企業の株価推移

円換算ベース、月次、期間:2008年12月末~2018年12月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォー ター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧 問株式会社作成
円換算ベース、月次、期間:2008年12月末~2018年12月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧
問株式会社作成

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

 

[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移

月次、期間:2008年12月末~2018年12月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
月次、期間:2008年12月末~2018年12月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

安定的だった世界のマクロ景気はここ数週間、既成秩序を揺るがす貿易戦争や金利上昇に関する懸念から不透明感が増したことから、グローバル企業の2019年の利益成長は2018年の増益ペースに比べ減速すると予想されていますが、グローバルでのGDP成長率見通しは2018年並みの水準とされています。そのため、企業の金利上昇への対応力や価格決定力に対して引き続き確信があり、足元の市場のボラティリティの高まりは銘柄のミスプライスをもたらし、魅力的な投資機会を与えるものと考えます。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料に記載の内容が変更される場合があります。

記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2018年12月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2019年2月1日)

 

ピクテ投信投資顧問株式会社

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【1/7開催】<令和7年度>
税制改正大綱を徹底解説
最新情報から見る資産運用への影響と対策

 

【1/8開催】オルカン、S&P500…
「新NISA」の最適な投資対象とは
金融資産1億円以上の方だからできる活用法

 

【1/9開催】2025年の幕開け、どうなる?日本株
長いデフレ環境を生き抜いたスパークスが考える
魅力的な企業への「長期集中投資」

 

【1/9開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【1/12開催】相続税の
「税務調査」の実態と対処方法
―税務調査を録音することはできるか?
【見逃し配信special】

 

 

 

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧