政策金利は据え置き
全会一致の決定
■米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、1月29日、30日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを2.25%~2.50%で据え置くことを決定しました。
政策金利と物価上昇率の推移
経済への評価も前回と同じ
景気と雇用は堅調、物価は安定
■国内経済の評価は、ほぼ前回と同じで、「景気と雇用は堅調な速度で拡大」、「物価上昇率は+2%近傍にとどまり、長期のインフレ期待にほぼ変化なし」でした。
ハト派へスタンスを転換
■今回のFOMCのポイントは、金融政策に対するスタンスの大きな変更です。
■先ず、利上げについては、前回までの「幾分かの、さらなる漸進的な利上げが妥当」との文言に替わり、「抑制されたインフレ圧力等を踏まえると、今後の利上げを判断するうえで、委員会は辛抱強くなれる」という文言が挿入されました。会合後の会見でパウエルFRB議長が「インフレ加速のリスクは消滅」と述べたことを考え合わせると、利上げは終了と考えることができます。
■FRBのバランスシート(BS)縮小プログラムについては、パウエル議長が「プログラム終了の時期が早くなり、終了後のBSの規模も事前の想定より大きくなる見通し」と語っています。おそらく19年内にもBS縮小プログラムは終了すると考えられます。
■このようにFRBはスタンスを大きくハト派に転換しましたが、それを受けて30日の米国市場は大きめに反応しました。株価や債券価格は好感して上昇(債券利回りは低下)、外為市場では米ドルが日本円、ユーロといった主要通貨に対して下落しました。
FOMC参加者の経済見通し
(2019年1月31日)
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