10-12月期GDPは+6.4%、景気減速が続く

減速傾向が鮮明となった中国経済(2019年1月)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
10-12月期GDPは+6.4%、景気減速が続く

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

10-12月期GDPは+6.4%

2018年は+6.6%成長に鈍化

 

■中国国家統計局は21日、主要経済指標を発表しました。2018年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.4%と、前期の+6.5%から伸び率が縮小し、3期連続の成長率鈍化となりました。2018年の成長率は前年比+6.6%と、2017年の同+6.8%から減速しましたが、政府の成長率目標の「+6.5%前後」は達成しました。

 

実質GDP成長率

(注)データは2016年7-9月期~2018年10-12月期。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2016年7-9月期~2018年10-12月期。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

固定資産投資は通年で減速

鉱工業生産、小売売上高も減速

 

■2018年通年の固定資産投資は前年比+5.9%となり、2017年の同+7.2%から減速しました。政府のデレバレッジ(過剰債務削減)方針を受けてインフラ投資の伸びが大幅に鈍化したことが背景です。

 

■2018年通年の鉱工業生産は前年比+6.2%と、米中貿易摩擦の激化に伴う輸出の減少などの影響から2017年の同+6.6%から伸び率が縮小しました。

 

■2018年通年の小売売上高も前年比+9.0%と、自動車販売の低迷などにより2017年の同+10.2%から伸び率が縮小しました。

 

固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高

(注)データは2015年4月~2018年12月。 年初来累計の前年同期比。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2015年4月~2018年12月。年初来累計の前年同期比。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

年前半は減速続くが、年後半は持ち直す見込み

 

■実質GDP成長率が3期連続で減速するなど、足元の中国経済は減速傾向が鮮明になっています。米中貿易摩擦が激化し、両国の関税引き上げ合戦となったことで、輸出の減少や先行きの不透明感から景況感の悪化が著しくなっており、デレバレッジで鈍化していた投資に加え、生産や消費も減速しています。

 

■中国政府は減税を中心とした財政政策や緩和気味の金融政策を駆使し、景気を下支えする方針を明らかにしています。2019年前半は米中貿易紛争による輸出減少から中国景気の減速が続くと見込まれますが、政府の景気対策により、年後半には景気が緩やかに持ち直すとみられます。

 

(2019年1月22日)

 

 

関連マーケットレポート

2019年1月15日 運用者の視点:中国株の『2019年の注目点』
2019年1月08日 2019年の中国株式市場の見通し

 

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録