株式市場は底堅い動き、新中央銀行総裁への期待が支える

インドの経済・市場動向(2018年12月後半)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
株式市場は底堅い動き、新中央銀行総裁への期待が支える

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

インド市場の推移

(注)データは2018年12月17日基準。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2018年12月17日基準。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

インドの株式、通貨

 

(注1)データは2017年12月17日~2018年12月17日。 (注2)ルピー/米ドルは逆目盛。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)データは2017年12月17日~2018年12月17日。
(注2)ルピー/米ドルは逆目盛。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

株式市場は底堅い動き

新中央銀行総裁への期待が支える

 

■12月に入り、米中貿易摩擦問題への警戒感で新興国通貨が売られたことや、原油価格に下げ止まりの兆しが出たことから、インドルピーは対ドルで反落しました。さらに、突然のインド準備銀行(中央銀行)パテル総裁の辞任や、5州の地方議会選挙でモディ首相が率いる国政与党インド人民党(BJP)が敗北するなどの逆風がありましたが、インド株式市場は底堅い動きとなっています。中央銀行の新総裁がモディ政権寄りのダス氏に早々に決まり、ハト派的な金融政策への期待が支えとなりました。

 

 

BJPは5州の地方選挙で全敗

来春の総選挙でモディ首相再選に黄信号

 

■注目されたインドの5州の地方議会選挙は、国政与党のBJPが全5州で敗北しました。BJPは、州政権を維持していたラジャスタン州など3州でも獲得議席数が過半数を割り込み、州政権を失うことが確実になりました。この地方選挙結果を受けて、2014年の総選挙で政権交代を果たしたBJPのモディ首相は、来年4~5月とみられる総選挙での再選に黄信号が灯ったとみられます。

 

 

政治リスクはあるが、好調な経済が株式市場をサポート

 

■5州の地方選挙は来春とみられる総選挙の前哨戦と位置づけられていたため、経済改革を推進してきたモディ首相の再選が不透明になったと考えられます。株式市場では、総選挙への警戒感が強まる可能性があります。一方で、モディ政権は総選挙での勝利に向けて景気のテコ入れを積極化させるとみられます。

 

■インドは景気が堅調なことに加え、インフレ見通しが好転しており、経済のファンダメンタルズは引き続き良好です。政治リスクはあるものの、良好な経済環境が株式市場を支えそうです。

 

(2018年12月18日)

 

関連マーケットレポート

2018年12月12日 インド中銀『パテル総裁』が辞任、政府と中銀が対立
2018年12月06日 インドの経済・市場動向(2018年12月前半)
 

●当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
●当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、三井住友アセットマネジメント、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
●当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
●当資料は三井住友アセットマネジメントが信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
●当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
●当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧