減産合意が遵守されれば、価格は堅調な展開へ

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

年末にかけ急落した原油価格

年初来では約15%の下落

 

■2018年の原油価格は、北米の代表的な指標であるWTI先物価格で見て、年初1月2日の1バレル当たり60.37ドルから10月3日の同76.41ドルまで上昇しましたが、これを当面のピークに下落に転じ、11月下旬以降は同50ドル近傍で推移しています。12月12日の同51.15ドルまでの年初来では、15.3%の下落となりました。年間の騰落率がマイナスとなれば、15年以来3年ぶりとなります。

 

原油価格と北米のリグ稼働基数

(注)データは原油価格が2017年1月6日~2018年12月12日。リグ稼働基数が2017年1月6日~2018年12月7日。ともに、週次データ。WTIは原油価格の代表的な指標のひとつ。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは原油価格が2017年1月6日~2018年12月12日。リグ稼働基数が2017年1月6日~2018年12月7日。ともに、週次データ。WTIは原油価格の代表的な指標のひとつ。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

主要産油国は減産で合意

日量120万バレル減産へ

 

■原油価格下落の要因は、米中貿易摩擦による中国経済の減速と、それに伴う原油需要の減退が懸念されたこと、石油輸出国機構(OPEC)加盟国や米国で生産が拡大していること等です。

 

■価格下落に対して、OPEC加盟国にOPEC非加盟の主要産油国を合わせた「OPECプラス」は12月初旬に開催した会合で、日量120万バレル規模の減産を実施することで合意しました。この減産は、19年1月から当初6カ月間で行われる予定です。

 

世界の原油需給動向

(注1)データは2006年~17年が実績。18年、19年は需要がOPEC予想、供給は需要と一致するとの仮定のもとで弊社算出。 (注2)需給バランス=需要-供給。 (出所)OPEC月報のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注1)データは2006年~17年が実績。18年、19年は需要がOPEC予想、供給は需要と一致するとの仮定のもとで弊社算出。
(注2)需給バランス=需要-供給。
(出所)OPEC月報のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

19年は堅調な展開を予想

 

■原油需要は、中国やインドを牽引役に今後、緩やかな増加が見込まれます。OPEC月報の18年12月号によれば、18年の原油需要量は世界全体で日量9,879万バレル、前年比1.5%増、19年は同じく1億バレル、同1.3%増と予想されています。ただし、米中の通商・ハイテク摩擦の激化が実体経済の減速を招き、原油需要を下押しするリスクには注意が必要です。

 

■一方、原油の供給量は18年1~9月実績で日量9,833万バレルと需要量を下回りました。輸送能力の限界等から、米国シェールオイルの大幅な増産が困難な状況にあることを踏まえると、「OPECプラス」の減産合意が遵守されれば、原油需給は改善し、価格も安定に向かうと予想されます。

 

(2018年12月13日)

 

関連マーケットレポート

2018年12月12日 吉川レポート(2018年12月)
2018年12月11日 OPEC、大規模『減産』を実施へ


調査部は、総勢20名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友アセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約900本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2016年度実績)。

※三井住友アセットマネジメントと大和住銀投信投資顧問は2019年4月1日に合併し、三井住友DSアセットマネジメントになりました。

著者紹介

連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友アセットマネジメント

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