実践的基礎知識 REIT編(4)<ベース利回り(国債利回り)変化>

ピクテ投信投資顧問株式会社
実践的基礎知識 REIT編(4)<ベース利回り(国債利回り)変化>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

REITの価格変化を考える~ベース利回り(国債利回り)変化~

REITの価格変化の要因を考えるときに、ベース利回り(国債利回り)の変化が重要になります。ベース利回り(国債利回り)の変化は様々な影響を与えます。①キャップレートの変化による収益不動産の価格変化②支払利息変化③REIT配当利回りの変化などです。ベース利回り(国債利回り)変化を注視することでREIT価格の動向を理解することにつながります。

キャップレート変化による収益不動産価格変化

ベース利回り(国債利回り)変化はREITの価格の変化に大きく影響します(図表1)。

 

[図表1]米国国債利回りと米国REIT価格推移

 

前回のレポートで説明させていただきましたように、キャップレートの変化により収益不動産価格は変化します。すなわち、キャップレートが低下すれば収益不動産価格は上昇し、逆にキャップレートが上昇すれば収益不動産価格は下落します。

 

このキャップレートの上昇には様々な要因がありますが、その中の一つにベース利回り(国債利回り)の変化があります。ベース利回り(国債利回り)が上昇するとキャップレートは上昇し、収益不動産価格の価格は下落します。ベース利回り(国債利回り)が下落するとキャップレートは下落し、収益不動産価格は上昇します。

 

このように国債の利回り上昇はREITが保有する収益不動産の価格変化に影響を与えREIT価格を変化させます(図表2)。

 

[図表2]キャップレートと不動産価格とREIT価格の変化

 

支払利息の変化

REITは借入れをして不動産投資収益にレバレッジをかけています。

 

そのため多くの場合ベース利回り(国債利回り)が上昇すると借入の支払い利息が増え、REITのネット収益が減少します。REITが保有する収益不動産から得られる賃料(収益)・コストは変化しないと仮定します。賃料(収益)からコスト、支払い利息を差し引きネット収益となり、このネット収益の90%を配当に回します。支払利息が増えると、ネット収益が減少し、REITの配当を減少させます。

 

[図表3]支払利息変化によるネット収益変化

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

 

REIT配当利回りの変化

REITの投資魅力の一つに配当があります。配当利回りを国債の利回りと比較して投資魅力の判断をすることがあります。仮に配当金が変化しない場合、国債の利回りが上昇し、REIT配当利回りの投資魅力が低下した場合、REIT配当利回りが上昇しREIT価格下落につながります。

 

 

これには逆もあり、REIT配当利回りの下落はREITの価格上昇にもつながります。

 

[図表4]REIT配当利回り変化によるREIT価格変化

 

このようにREIT価格にはベース利回り(国債利回り)の変化が影響します。今後のベース利回り(国債利回り)の動きにも注視しておくのもREIT投資には必要なことです。

 

※上記はあくまでイメージ図です。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 REIT編(4)<ベース利回り(国債利回り)変化> 』を参照)。

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

 

【11/19開催】相続税申告後、
約1割の人が「税務調査」を経験?!
調査の実態と“申告漏れ”を
指摘されないためのポイント

 

【11/19開催】スモールビジネスの
オーナー経営者・リモートワーカー・
フリーランス向け「海外移住+海外法人」の
活用でできる「最強の節税術」

 

【11/23開催】ABBA案件の
成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト
「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【11/24開催】事業譲渡「失敗」の法則
―M&A仲介会社に任せてはいけない理由

 

【11/28開催】地主の方必見!
相続税の「払い過ぎ」を
回避する不動産の評価術

 

 

(2017年12月18日)

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧