2018年10月の水関連株式市場

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

10月の投資環境

10月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

 

世界の株式市場は、上旬は好調な米雇用統計を背景に米国の利上げ見通しが高まり、米10年国債の利回りが上昇したことから、株式市場の割高感が顕在化し、これまで上昇率が高かったハイテク株中心に下落しました。

 

その後も、米中貿易摩擦の深刻化や、イタリアの財政問題などの地政学リスクの高まりを受けて、リスク回避の姿勢が強まり続落しました。月末にかけては、企業決算に一喜一憂する展開となり、月を通じては大幅に下落しました。公益セクターは、長期金利が一旦低下したことやディフェンシブ性が注目され上昇しました。景気敏感セクターの資本財・サービスセクターは大きく下落しました。

 

こうした中、水関連企業の株価(現地通貨ベース)はほぼ市場並みの下落となりました。上下水道ビジネスセクターおよび環境マネジメント・サービスセクターは市場のボラティリティや急落に対する抵抗力を見せ、ほぼ横ばいとなりましたが、装置製造エンジニアリングセクターは下落しました。

 

上下水道ビジネスセクター内では、英国の規制下の水道公益事業銘柄については、AMP7(英水道会社の2020~2025年の資産管理計画)の規制当局の審査による主なネガティブ・ニュースは市場に織り込み済みで、比較的ディフェンシブ性が高い点が評価され上昇しました。今後の詳細な調査において業績評価基準に関する項目の多くがポジティブな結果となるでしょう。

 

また、ブラジルでは大統領選挙後、より良好な政治環境への期待を織り込みコンセッション銘柄が上昇したことなどから、新興国コンセッション銘柄は良好に推移しました。

 

個別銘柄ではサンパウロ州基礎衛生公社およびミナスジェライス水道会社が上昇しました。一方、アクア・アメリカは、コアの水道事業とは異なる純粋なガス公益事業会社の買収を発表したことにより、下落しました。

 

環境マネジメント・サービスセクターでは、廃棄物処理銘柄が市場のボラティリティに対する抵抗力を見せ、また、第3四半期決算で示された価格決定力の強さと持続性が評価され上昇しました。

 

装置エンジニアリングセクターは、消費関連銘柄および多角経営企業銘柄を中心に大きく下落しました。消費関連銘柄は住宅および非住宅建設市場により左右されやすい傾向があります。米国の住宅関連指標は低下傾向であり、住宅建設セクターが軟調な局面入りの兆しを見せる中で、建設関連機器の需要の鈍化が予想され、消費関連銘柄は当セクター内で比較的軟調なパフォーマンスとなりました。

 

 

一方、地方自治体の債券発行による資金調達が好調で、地方自治体の水道事業向け市場は安定的に拡大を続けています。個別銘柄では、ザイレムは通期の本業での増益見通しが引き上げられる強固な決算を10月末に発表しましたが、良好なパフォーマンスが続いたことから割高と見られ10月は反落しました。

 

 

コーウェイは時価より低い価格での第三者割当増資を行ったことや、それを背景にガバナンスに対するリスクが懸念され下落を続けました。ファーガソンは、低調な建設市場がより広範な建設関連銘柄にマイナスの影響を与えるとの懸念から下落しました。

 

[図表1]水関連企業の株価推移

円換算ベース、月次、期間:2008年10月末~2018年10月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧 問株式会社作成
円換算ベース、月次、期間:2008年10月末~2018年10月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧
問株式会社作成

 

[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移

月次、期間:2008年10月末~2018年10月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
月次、期間:2008年10月末~2018年10月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

安定的だった世界のマクロ景気はここ数週間、既成秩序を揺るがす貿易戦争に関する懸念から動揺しましたが、経済成長は堅調で企業の金利上昇や物価変動に対する対応力が増していることが7-9月期の業績と今後の業績見通しを通じて明らかになっています。引き続き2018年通期の利益率拡大が見込まれることから足元の市場のボラティリティの高まりは銘柄のミスプライスをもたらし、魅力的な投資機会を与えるものと考えます。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料に記載の内容が変更される場合があります。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料に記載の内容が変更される場合があります。

記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、当資料におけるデータは将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2018年10月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2018年11月16日)

 

ピクテ投信投資顧問株式会社

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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