実践的基礎知識 為替編(1)<為替のキホン>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

為替のキホン

金や原油など国際的に取引されているモノの価値・価格は、交換できる米ドルの量で表示されます。一定量の金や原油との交換で得られる米ドルの量が増えることを、金や原油の「価値・価格が上がった」といいます。同様のことが通貨にも言うことができ、各通貨の価値・価格は交換できる米ドルの量で表示されます。

国際的に取引されているモノの価値・価格

金や原油など国際的に取引されているモノの価値・価格は、交換できる米ドルの量で表示されます。例えば原油の価値・価格は、原油1バレルが何米ドルと交換できるかで表します。一定量の金や原油との交換で得られる米ドルの量が増えることを、金や原油の「価値・価格が上がった」といいます。原油1バレルが50ドルから60ドルになった場合、交換で得られる米ドルの量が増えているので、原油の価値・価格は上昇したと考えられるのです。

 

 

では、米ドルを日常的に使っていない国の人たちは原油の価値・価格をどのようにして把握しているのでしょうか。それは、それぞれの国で日頃使っている通貨建てにすることで把握できます。日本人であれば、原油の米ドル価格にその時の米ドルと円の為替レートをかけて計算します。原油価格が1バレル50ドル、1米ドルが100円であれば、円建て原油価値・価格は5,000円となります。図表1を使い、円建ての原油価値・価格上昇の要因について考えてみたいと思います。

 

①、②のケースとも円建ての原油価格は6,000円になっており円建ての原油価格は上昇していますが、その要因は異なります。①はドル円レートは変わっていませんが、原油価格は50ドルから60ドルに上昇しています。これは日本人にとってだけ原油価値・価格が上昇してしまったのではなく、世界中全ての人たちにとって原油価値・価格が上昇したと言えます。一方の②は原油価格は変わらず、米ドルと日本円の為替レートが1ドル100円から120円へと円安・ドル高になっています。②のケースにおける円建ての原油価格の上昇は、1ドルが100円から120円に円安になったことが要因です。したがって、日本人にとって原油価値・価格は上昇してしまいましたが、日本人以外の人たちにとって原油価値・価格は上昇したとは言えません。

 

このように国際的に取引されているモノの価値・価格を考える際は、自分たちが日頃使っている通貨の価値・価格で考えるのではなく、米ドル建てでの動きで考えないと価値・価格が上昇したのか下落したのか判断を見誤ってしまう可能性があります。

 

[図表1]円建ての原油価値・価格の上昇要因

通貨の価値・価格

国際的に取引されているモノの価値・価格の考え方と、通貨の価値・価格の考え方は同じです。各通貨の価値・価格は交換できる米ドルの量(対ドルレート)で表されます。例えば豪ドルの価値・価格を考える際に、1豪ドルで交換できる米ドルの量が増えれば豪ドルの価値・価格は上昇したと言えますし、1豪ドルで交換できる米ドルの量が減れば豪ドルの価値・価格は下落したと言えます。

 

交換で得られる米ドルの量で表された価格を、各国の自国通貨建てで表示する場合は、各国通貨と米ドルとの為替レートをかけて計算します。例えば豪ドル価値・価格を日本円で表すためには、1豪ドルでどれだけの米ドルを得ることができるかを示す対ドルレート(1豪ドル=$0.8)と日本円と米ドルの為替レート(1米ドル=100円)をかけることで、1豪ドル=80円($0.8×100円)と計算することができます。図表2で豪ドルの対円レートが上昇する場合、どのような変動要因があるのか考えたいと思います。

 

③、④のケースとも、円建ての豪ドルの価値・価格は上昇しています。③はドル円レートは変わりませんが、豪ドルの対ドルレートは$0.8から$1.0に上昇しています。この場合、豪ドルの価値・価格は日本人だけではなく、世界中の人たちにとって上昇したと考えられます。一方④は、豪ドルの対ドルレートは$0.8で変わらず、ドル円レートが100円から120円へと円安になったことで円建ての豪ドルの価値・価格が上昇しています。これは、日本人にとって豪ドルの価値・価格は上昇しましたが、日本人以外の人たちにとって豪ドルの価値・価格が上昇したとは言えません。

 

通貨の価値・価格が変わらなかったとしても、ドル円レートが変われば、各通貨の対円レートも変わります。各通貨の価値・価格が上昇したのかそれとも下落したのかを判断するためには、対ドルレートでの動きを見る必要があると言えるでしょう。

 

[図表2]円建ての通貨の価値・価格の上昇要因

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 為替編(1)<為替のキホン> 』を参照)。

 

(2016年8月12日)

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は2.11兆円となっています(2018年6月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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