実践的基礎知識 リスク編(4)<リスクの種類と大きさを考える>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

リスクの種類と大きさを考える

リスクという言葉には2つの意味があり、1つは一般的に使われる「良くないことが起こる可能性」という意味で、もう1つは投資の世界独自の「値動き」という意味があります。リスクは種類と大きさが重要です。複数の種類リスクをとっている場合は、リスクの種類を理解しどんなリスクをとっているのか、普段の値動きの大きさや、悪いことが起きた場合は最大でどのくらい下落する可能性があるのかを把握しておくことが重要です。

 

[図表1]リスクの例

リスクの種類

リスクという言葉には2つの意味があり、1つは一般的に使われる「良くないことが起こる可能性」という意味で、もう1つは投資の世界独自の「値動き」という意味があります。

 

投資信託の目論見書や販売用資料には、リスクに関する記載があります。例えば、株価変動リスク、金利変動リスク、信用リスク、為替変動リスク、カントリーリスクなどがあります。これらは「リスクの種類」ですが、リスクはその「大きさ」も大切な要素です。

 

今回はリスクの種類と大きさのそれぞれについて考えていきましょう。まずはリスクの種類からです。複数の種類のリスクをとっている場合は、まずどのようなリスクをとっているのか把握するよう努めましょう。例えば、海外の国債に投資するファンドで、(1)金利変動リスク、(2)信用リスク、(3)為替変動リスクの3種類のリスクをとっている場合です(図表2)。これらがリスクの種類です。

 

 

(1)金利変動リスクは、景気改善やインフレ懸念など、金利上昇局面にあるのかどうか、(2)信用リスクは、発行体の信用状況・財務状況・評価はどうなのか、(3)為替変動リスクは為替ヘッジをかけているため限定的なのか、もしそうならば為替ヘッジのコスト上昇に懸念はないのか、という意識を持つことが大事です。その上で為替ヘッジをかけて(3)の為替変動リスクは限定的になっていたとしても、(1)の金利変動リスクや(2)の信用リスクはとっているという具合にリスクの種類を確認しましょう。

 

[図表2]外国国債ファンドのリスク記載例

リスクの大きさ

次に把握すべきなのはリスクの大きさです。リスクの大きさというのは、値動きの大きさです。主に(1)普段の値動きの大きさ、(2)悪いことが起こった時の最大下落率、の2つで考えることができます。リーマン・ショック時には様々な資産の価格が大きく値下がりしました。

 

また、リスクの小さい商品はたとえ悪いことが起こっても半値になったりはせず、10%、20%といった程度の損失で下げ止まります。悪いことが起こった時に半値になってしまったり、70%、80%といった大きな幅で下落してしまうのは、その商品のリスクが大きいからです。

 

(1)は普段どのくらい価格が変動するのか、日々、1ヵ月などの単位ではどのくらい動くのか、という考え方です。この普段の値動きの大きさを測るものさしが標準偏差です。「バラつきの大きさ」を表す数字で、リスクの大きさを数値化するものです。「極端なケースを除き、だいたいこのくらいの範囲の中に収まる」という範囲です。

 

(2)はリーマン・ショックのような最悪のケースで、最大どのくらい下がってしまったのか、という考え方です。商品によってリスクの種類は様々でも、この時の下落幅を比べてみると、普段はなかなか見えにくい各資産が持っているリスクの大きさを把握することができます(図表3)。

 

リーマン・ショック時の下落率を最大下落率と考えるとして、リーマン・ショック時の下落率の半分程度の下落はいつ起こってもおかしくない、と考えるべきでしょう。また、下落し続けている資産があった場合、最大、どのくらいの下落を覚悟しなければならないかも分かります。

 

投資する上で普段の値動きの大きさを把握することも重要ですが、さらにリスクの種類を理解しどんなリスクをとっているのか、悪いことが起きた場合は最大でどれくらい下落する可能性があるのかを把握しておくことも重要です。

 

[図表3]リーマン・ショック時の各資産の最大下落率(円換算)

(期間:2007年~2009年)

※米国REIT:MSCI米国リート指数、日本REIT:TOPIX-Jリート指数、豪州REIT:ASX200REIT指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、先進国株式:MSCI世界株価指数、日本株式:TOPIX、ハイイールド債:BofAメリルリンチUSハイイールド指数、バンクローン:CSレバレッジド・ローン指数、ブラジル国債:JPモルガンGBI-EMブラジル・ブロード指数、金融機関劣後債:iBoxx米ドル建て金融劣後債指数、金融機関ハイブリッド証券:ウェルズファーゴ・ハイブリッド&優先証券指数、米ドル建て新興国債:JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数、現地通貨建て新興国債:JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシファイド指数、オーストラリア国債:シティグループ・オーストラリア国債指数、世界国債:シティグループ世界国債指数。全てトータルリターン指数を使用し、円換算。リーマンショック時の最大下落率は2007年~2009年の日次最高値と日次最安値の騰落率MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
※米国REIT:MSCI米国リート指数、日本REIT:TOPIX-Jリート指数、豪州REIT:ASX200REIT指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数、先進国株式:MSCI世界株価指数、日本株式:TOPIX、ハイイールド債:BofAメリルリンチUSハイイールド指数、バンクローン:CSレバレッジド・ローン指数、ブラジル国債:JPモルガンGBI-EMブラジル・ブロード指数、金融機関劣後債:iBoxx米ドル建て金融劣後債指数、金融機関ハイブリッド証券:ウェルズファーゴ・ハイブリッド&優先証券指数、米ドル建て新興国債:JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数、現地通貨建て新興国債:JPモルガンGBI-EMグローバル・ディバーシファイド指数、オーストラリア国債:シティグループ・オーストラリア国債指数、世界国債:シティグループ世界国債指数。全てトータルリターン指数を使用し、円換算。リーマンショック時の最大下落率は2007年~2009年の日次最高値と日次最安値の騰落率MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識 リスク編(4)<リスクの種類と大きさを考える>』を参照)。

 

(2016年7月12日)

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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連載PICTET・投資初心者のための実践的基礎講座

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