今回は、ブロックチェーンを活用したメディア「ALIS」の可能性について見ていきます。※本連載では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる仮想通貨」を運営するBULLヒロ氏に「仮想通貨投資」の基礎知識について解説していただく。

広告主が存在せず、透明性の高い情報の発信が可能に

BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。

 

仮想通貨市場の将来を予測し、今後の投資に役立てていただくための情報をお伝えしていきます。

 

前回、ブロックチェーン技術の活用が、より精度の高いターゲティング広告の配信や、匿名性の担保につながるという話をしました。今回は反対に、「ブロックチェーンで不快な広告をなくす取り組み」について紹介します。

 

筆者は、WEBやSNS広告に関連するITのベンチャー企業で事業開発をしており、この領域について専門的に取り組んでいます。

 

現在、TVCM・雑誌・スマートフォン・屋外モニターなど、日常生活のいたるところでアドバタイズメントを目にします。そのような環境のなかで、広告が存在するのが当たり前となっていますが、そもそもは情報発信者と受信者さえいればメディアは成立します。このままでは情報発信者のメリットが少ないため、発信者に金銭的メリットを与え、継続的な情報発信環境を生み出しているのが、現在の広告のビジネスモデルです。

 

このモデルは、金銭的利益をあげているスポンサーの立場が、情報発信者と受信者より上になってしまい、歪曲した情報が伝えられてしまうリスクがあります。

 

以上の問題を解決し、受信者の求める情報を発信者が正しく発信する仕組みを作ろうとしているプロジェクトに「ALIS(アリス)」があります。ある程度仮想通貨取引をしている方には有名な話ですが、未経験の方のためにご紹介します。

 

国内取引所に上場していない仮想通貨プロジェクトは、日本人を対象とする宣伝活動は法令で禁止されています。ここに紹介することもその助長につながるので控えたいところではありますが、ALISは国内取引所への上場を目指している会社ですので、今後の検討材料として提示します。

 

ALISは、株式会社ALISの安昌浩CEOがリクルート在籍中に立ち上げた日本発祥のプロジェクトであり、シンプルなメディアスキームです。情報発信者はALISのプラットフォームを使って記事を書き、受信者はこの記事をSNSなどで馴染み深い「いいね」ボタンで評価します。この「いいね」の数などによって、発信者にはALISトークンで報酬が支払われます。

 

今までの広告つきメディアのビジネススキームでは、この報酬を広告主が払っていましたが、ALISの場合、システムが自動的に仮想通貨(ALISトークン)を新規発行して支払います。広告主の存在しないエコシステムができあがっているのです。

新規発行された分、トークンの価値が希薄化するが…

ALISプロジェクトでは、新規発行されたALISトークン分、常にトークンの価値が希薄化していきます。つまり、トークンの価値は常に右肩下がりになる設計です。しかし、プラットフォームの人気化に伴い、ALISトークンの保有者が増えていくため、価値のバランスを取ることができています。

 

たとえば、トークンの発行ペースが年10%、保有増加率が10%の場合、おおむね価値はフラットになり、前年対比で変わりません。このトークン保有者の増加が、発行ペースを上回るとトークンの価値が上がるということです。

 

今までにない非常に面白いモデルですが、ALISは現在の広告メディアと比較すると、情報発信者が受け取る報酬が少ないという課題があり、優良な記事が書けるライターが集まっているとはいいにくい状況です。

 

流行するメディアというものは、スポーツやカルチャーなど何かしらに特化し、コアなファンを抱えているという共通項があります。たとえば、よいコンテンツが集まらず苦戦していたAmebaブログも、タレントをブロガー化することで、タレントのファンの取り入れに成功し、突破口を見いだしました。

 

しかし、ALISのような志の高いプロジェクトでは、「非中央集権化」による公正な利用環境の提供という大義があり、作為的に何かに特化させる誘導も難しいようです。現在もイラスト・マンガ・ビジネス・グルメなどのカテゴリーは存在していますが、メディアとしてブレークスルーするのであれば、より明確なターゲット選定と価値ある情報提供者の誘致施策が必要となってくるのではないでしょうか。

 

しかし筆者の考えも既存メディアの成功体験との比較なので、ALIS独自の突破口があるかもしれません。今後も新機能のリリースが控えていますし、改善を見つつ、国内取引所への上場を待ちましょう。

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