投機的側面を持った「Dappsゲーム」がブームに
BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。
仮想通貨市場の将来を予測し、今後の投資に役立てていただくための情報をお伝えしていきます。今回のテーマは、「ブロックチェーンを活用したゲームは流行るのか」です。
仮想通貨は、世界的には「Crypto currency(暗号通貨)」と呼ばれ、あくまで通貨としてのイメージが強いブロックチェーンプロダクトですが、通貨以外の用途にも注目が集まっています。
今回は、その一例として「ブロックチェーン技術を活用したゲーム市場」について見ていきます。Dapps(Decentralized Applications:分散型アプリケーション)を活用したサービスや、それに関わるトークンが投資対象になり得るのか参考にしていただければと思います。
いままでのオンラインサービスでは、サービスオーナーがサーバーを管理していたため、サービスオーナーがいなくなると、そのサービスは停止せざるをえませんでした。
Dappsは複数のサーバーに処理を分散し、利用したいユーザーがいる限りは、計算処理に必要なコストの一部をユーザーが支払う事で成立するため、永続性の高い方式だといわれています。
最も成功したといわれるDappsゲームに「CryptoKitties(クリプトキティ)」があります。
クリプトキティでは、「CryptoKitties」と呼ばれる、それぞれ見た目や特徴が異なる数多くのネコのキャラクターが存在し、そのなかから自分の好きなものを仮想通貨(イーサリアム)で購入することができます。ネコの特徴はブロックチェーン上で遺伝子のように記録されており、2匹のネコを交配させることで、新たなネコが誕生します。そのネコが出現しにくいレア度が高いものであるほど、高値でのトレードが可能となるのです。
そのため、クリプトキティはゲーム自体の楽しさがウケたというよりも、購入したネコの購入額と交配したネコの売却額の差益を狙う投機的要素からブームが発生したのでしょう。
現段階での投資は高リスクでも…可能性を秘めるDapps
世界的に最も成功したといわれるクリプトキティであっても、1日のアクティブユーザーは2,000人程度といわれています。世界的に流行しているスマートフォンゲームの1日のアクティブユーザーは100万を超えるものもあるため、まだまだ小規模であるといえます。
この点は、今後の成長に期待をして投資する対象としては伸び代が大きいのと同時に、一般ユーザーに浸透していないDappsプラットフォームを活用したサービス開発は、利用者を増やす上で大きな課題でもあると感じています。
Dappsの特徴は高い永続性であり、クリプトキティのような継続的な価値を期待できる投機ゲームとの相性がいいのは確かです。
しかし、スマートフォンゲームが現在のゲーム業界において主流となるほど、消費者を取り込めた要因は、キャラクターなどの魅力的なコンテンツであったり、直感的に理解できる操作性であったり、Dappsとは関係のない要素が強く、ここにDappsが入り込める要素は多くありません。
筆者が考えるDappsの技術が爆発的に普及する瞬間は、2003年に誕生し一時期大きなブームを起こした「セカンドライフ」のようなオンライン仮想空間ブームの瞬間です。インターネットは高速化が進み、データ量は増大し、現実とバーチャル空間の垣根が今よりもなくなっていくでしょう。多くの人々がオンラインで過ごす時間が長くなり、莫大なデータが積みあがっていきます。そこで、1つのプラットフォームに依存しない分散処理技術に注目が集まるでしょう。そのストーリーからICOにより資金を調達し、Dappsの技術開発を行っている機関が買収されるなど、このマーケットに資金が流入する可能性は大いにあります。
ただし、このマーケットに関しては、どのプロジェクトが成功するか失敗するか、判断が非常に難しいため、投資対象とするにはかなりの調査が必要な印象があり、安易に「流行りそうだから」などと考えて1つのプロジェクトに資金を入れるのは危険だと思います。
Dappsで作られた何らかのサービスのブームが来た場合、そのブロックチェーンを乗せるトークンが、ユーザーの増加に伴い消費されることになります。たとえば、イーサリアムがそれにあたりますが、ブーム発生の初動でプラットフォームになっているトークンに投資するのは有効な手かと思います。