3市場ともに上昇
不透明感が続くなか底堅い動き
■18年8月のアジア・オセアニアのリート市場は、貿易摩擦やトルコリラ安に端を発した新興国通貨安などの不透明感が続く中で、3市場ともに上昇しました(現地通貨ベース)。
■シンガポール市場は、貿易摩擦や新興国市場の混乱を嫌気して株式市場が下落するなか、リートのディフェンシブ性が注目され、小幅に上昇しました。
■香港市場は、長期金利の落ち着いた動きが安心感につながり、上昇しました。
■オーストラリア市場は、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の、現在の低金利を維持する姿勢や、トルコの情勢不安などを受けて長期金利が月間で低下したことから、上昇しました。
各国・地域の騰落率
円ベースは総じて下落
為替要因はマイナス寄与
■18年8月の騰落率を円ベースでみると、シンガポール市場は▲1.5%、香港市場は▲0.2%、オーストラリア市場は▲0.6%、アジア・オセアニア全体では▲0.8%と、現地通貨ベースを下回りました。
■8月の円相場は、貿易摩擦問題や新興国市場の混乱等からアジア通貨が幅広く下落したため、為替要因はマイナスに寄与しました。
円ベース指数の推移
堅調な業績動向やディフェンシブ性から引き続き選好されよう
■アジア・オセアニアリート市場は、貿易摩擦問題などの不透明感が続く中においても、堅調な業績動向やディフェンシブ性が注目され、引き続き底堅く推移すると期待されます。シンガポール市場は、賃料上昇などに加え、ポートフォリオの規模拡大や質の改善などが進むとみられることから、リート価格に評価余地があると考えられます。香港市場は、景況感の改善などを背景に堅調な推移が期待されます。オーストラリア市場は、首相の交代による政策変更やその影響について注視する必要はありますが、金融環境は安定しており、底堅く推移するとみられます。
(2018年09月11日)
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