今回は、「ビットコインETF」承認が仮想通貨市場に与える影響を見ていきます。※本連載では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる仮想通貨」を運営するBULLヒロ氏に「仮想通貨投資」の基礎知識について解説していただく。

機関投資家マネーの流入が期待されるビットコインETF

BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。

 

仮想通貨市場の将来予測は、今後の投資において非常に役立つ情報です。今回は、ETFの承認により、ビットコインの価格は上がるのかを見ていきます。

 

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では上場投資信託といいます。ビットコインETFが誕生すると、大口の機関投資家が参入し、ビットコインの価格が大きく上昇するといわれていますが、はたして本当でしょうか。そのストーリーがどこまで現実味のあるものなのか検証していきます。

 

仮想通貨関連の指数連動型商品で、すでに上場しているものにビットコイン先物があります。ビットコイン先物とビットコインETFの違い、ETFには何が期待できるのかを整理しましょう。

 

◆機関投資家にとって「証券取引所への上場」は最低条件

 

年金やファンドなどを運用する機関投資家には、顧客から預かっている資産をできるだけ少ないリスクで運用する義務があり、出資者との契約書上にも条項として盛り込まれています。そのため、出来高が少なく、価格形成根拠が不透明な仮想通貨取引所での注文は、機関投資家には合わないといわれています。

 

対して、ビットコイン先物が上場したCBOE(シカゴ・オプション取引所)やCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)は、アメリカ連邦政府公認の証券取引所です。機関投資家が投資対象とする上では安心感があり、投資対象として選ばれる可能性が格段に上がりました。

長期の大型投資に向いているETF

◆ビットコイン先物上場への機関投資家の参入は低調

 

2017年12月のビットコイン先物上場では、多くの機関投資家の参入が期待されました。しかし実際の取引量は、1日約4,200枚、当時のレートで80億円程度と低調な滑り出しでした。

 

2018年現在、ビットコイン先物の取引量は右肩上がりで上昇していますが、ビットコインの価格は低迷を続けており、マーケット全体を押し上げるほどのインパクトはありません。

 

◆長期運用可能なETFは機関投資家を呼び込む本命

 

ビットコイン先物には「限月」といわれる決済期限があり、数年単位でポートフォリオ構築を行っている大手ファンドからすると、ポートフォリオに組み込みづらい状況です。

 

対して、ETFには決済期限がないため長期投資に向いており、世界の機関投資家マネーを呼び込むには最良の商品といえます。ETFは長期の大型投資に向いた商品であり、時間と共に長期保有量が増えるほど市場流通量が減り、価格上昇につながります。過去、金市場でETFが上場した際には、上場後10年近く上昇を続けました。ビットコインETFにおいても、同様の効果が期待されています。

 

現在、世界の機関投資家による運用資産は約90兆ドルといわれており、対するビットコインの時価総額は1,000億ドル程度しかありません。そのため、そのうちの1%が流入するだけでも、ビットコインの時価総額は現在の10倍近くに到達します。機関投資家の全ポートフォリオが仮想通貨に移動することはありえませんが、一部をビットコインETFにまわすというのは十分に考えられます。長期投資に向いているETFは、先物以上にビットコイン価格に影響する可能性は高いでしょう。

本メディア並びに本メディアの記事は、投資を促したり、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、合同会社幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎グループは、本メディアの情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

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