セールスエージェントとは
アメリカにおいて不動産取引の仲介業務を行う資格を有するブローカー。その「代理人」として業務を代行する人のことをセールスエージェントと呼びます。不動産取引を行うにあたり、顧客と直接契約をするのではなく、直接契約したブローカーの代わりに実務的な業務を行うというイメージです。
アメリカでは不動産取引の透明性が世界基準で見ても法律に基づいて確保され、安心かつ安全な不動産手続きが行えるような仕組みになっているのですが、その仕組みの一つとして政府機関が不動産業者を統括し、不動産業を行う者を監督していることが挙げられます。政府機関の管理下で不動産取引の仲介業務を行うという現状の仕組みの中では、「政府機関から認められた不動産取引における仲介業務を行う資格」を持っている者しか、ブローカーとして仲介業務を行うことができません。
そのため、有資格者である数少ないブローカーを「補助する」役割として、セールスエージェントが数多く存在し、安心かつ安全な不動産取引の仲介業務を支えているのです。
セールスエージェントとブローカーの違い
「政府機関から認められた不動産取引における仲介業務を行う資格を持っているか否か」という点がセールスエージェントとブローカーの大きな違いです。
同じような不動産仲介に関わる業務を行っているため誤解されがちなのですが、セールスエージェントは政府機関が承認する資格を持ったブローカーの「代理人」に過ぎません。不動産取引における仲介業務を行う資格を持たないセールスエージェントが、単独で不動産仲介契約や仲介業務を行うことはできません。
不動産仲介において担う役割は同じ
資格の有無という点でセールスエージェントとブローカーに違いはありますが、不動産取引における仲介業務を行うという役割は変わりません。
BPO(ブローカー算定価格)という手法を用いて売却したい物件の価格を仮判定したり、購入したい物件の価格が適当かどうかをアドバイスしたり、顧客の要望に応じて相手と価格交渉を行ったり、法的手続きの代行を行ったりと、不動産仲介における様々な業務は、ブローカー、もしくはブローカーから依頼を受けたセールスエージェントのどちらかが行うことになります。
ブローカーの業務を代行する立場であるセールスエージェントには、本来ブローカーから顧客に提供されるべき仲介業務の履行に責任が伴います。セールスエージェント及びブローカーの個々の能力には差がありますが、本来「ブローカー本人が仲介業務をしてくれるから有利に不動産取引を進めることができる」「セールスエージェントだから仕事が遅い」などといった業務に関する不都合は皆無であり、セールスエージェントがブローカーに代わり業務を行っても、ブローカーが直接業務を行っても、不動産取引を行う上で違いはないのです。