4-6月期GDPは6.7%成長
市場の予想通り
■中国国家統計局は16日、主要経済指標を発表しました。18年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.7%と、前期の+6.8%から伸びが鈍化しました。成長率は3期ぶりの減速ですが、市場予想通りで、18年の政府の成長率目標の「+6.5%前後」を上回りました。内訳をみると、内需が景気を支えています。
実質GDP成長率
投資や生産もやや鈍化
小売売上高は前月からやや戻す
■18年1~6月の固定資産投資は前年同期比+6.0%と、1~5月(同+6.1%)から伸び率がやや縮小しました。地方政府の債務抑制によりインフラ投資が同+7.3%と、1~5月(同+9.4%)から減速していることが背景です。
■6月の鉱工業生産は前年同月比+6.0%と、5月(同+6.8%)から減速しました。営業日数の減少などの影響があるとみられます。コンピュータ・情報通信は同+10.9%と、全体を上回りました。
■一方、6月の小売売上高は前年同月比+9.0%と、5月(同+8.5%)から伸び率が拡大しました。
固定資産投資とインフラ投資
景気は緩やかな減速にとどまる見込み
■中国国家統計局は16日の記者会見で、中央政府による地方政府債務の抑制は続くものの、インフラ投資のうち承認されたプロジェクトの執行ペースを加速させることができるとコメントしました。中央政府はインフラ投資の伸びを年後半に安定させる方針を持っているとみられます。
■今後は、習近平指導部が掲げる、経済成長の量より質を重視する方針の下で、IT関連の生産や投資の増加が続くことに加え、地方政府のインフラ投資の抑制姿勢が緩和するとみられることが景気を下支えすると考えられます。このため、中国景気の減速は緩やかなものにとどまる見込みです。
(2018年07月17日)
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