タイトル保険費用とは

タイトル保険費用とは、タイトル、つまり「所有権」に対してかけられた保険にかかる費用です。

日本の住宅における不動産取引の多くは新築物件ですが、アメリカでは中古住宅取引が主流で、住宅不動産取引市場の約8割を占めています。そのため中古物件取引を安心して行うためにタイトル保険のシステムが確立されたのです。

タイトル保険の内容は、タイトル保険会社が不動産の売買契約成立後に、所有権や抵当権等の登記や税金等当該不動産物件に係る全ての事項についてまとめたレポートを発行し、もしレポートに記載のない項目に関して、買主に不利になる事が発生した場合に、その損害額を保証するというものです。タイトル保険費用の支払いは物件購入時に保険費用の全額を一括で支払う形になります。タイトル保険の保証は当該不動産物件を保有している限り有効です。

アメリカで多く取引されている中古物件の場合、売り手がタイトル保険代を負担することが一般的になっています。

タイトル保険を利用するメリット

タイトル保険を利用するメリットは、不動産物件の購入後にその物件の所有権に関してトラブルや損害が発生した場合、その費用が保証されるということです。

たとえば、不動産物件を購入するために住宅ローンを組んだとしましょう。購入後しばらくして、事前調査では把握できなかった抵当権が判明した場合、タイトル保険会社が債権者の被った損害を賠償してくれます。

タイトル保険に加入していれば、購入者は不動産物件にかかわる住宅ローン以外の費用負担の心配をする必要は一切ありません。タイトル保険の存在によって、不動産物件の購入希望者は安心して不動産取引を進めることができるのです。

タイトル保険会社とエスクロー会社の違い

アメリカの不動産取引にかかわるエスクロー会社は、不動産取引の際に信頼のおける第三者を仲介させることで、取引の安全を担保するための第三者預託の役割を果たします。

不動産取引の売買契約成立後、売主と買主との間で行われる契約書などの必要書類作成や資金の支払いなどは、すべて第三者機関であるエスクロー会社を通して行われます。物件の引き渡しに関わる実務のほとんどはエスクロー会社が行い、タイトル保険会社が保険加入のために作成した不動産に関するレポートをエスクロー会社が充分にチェックするなど、安心して不動産取引を行えるように努めているのです。

タイトル保険会社は売買後の所有権に対するトラブルを解消するために、そしてエスクロー会社は取引が安心且つ円滑に進むように、それぞれの視点から信頼のおける不動産取引を支えているのです。