マルチファミリーとは
マルチファミリーとは、アメリカにおいて、1棟に複数世帯が入居できる住宅物件を指して使われる呼称です。個人が購入しやすいとして、不動産投資の対象としても人気が高い物件タイプです。イメージしやすい例としては、日本ではアパート経営が挙げられるでしょう。
少し日本と異なる点は、アメリカにおいて住居用不動産は主に4世帯以下の入居が認められているビルのみに限られるため、厳密にはマルチファミリーは4世帯以下の複数世帯物件を指し、5世帯以上の入居が可能なビルは、商業ビルになるというところです。
マルチファミリーの投資対象としての魅力
①管理のしやすさ
マルチファミリーの利点の1つに、管理のしやすさが挙げられます。複数の世帯が一つの棟に収まっているため、各部屋の賃借人の管理がしやすく、管理会社を利用する場合にも、一社で一括管理を行うことができます。
もしこれが一戸建てだと、エリアが離れていれば、各賃借人の状況を把握するためのコストは高くなります。また、一戸ごとに別の管理会社へ依頼を行わなければならない可能性もあります。管理会社への依頼の手間が増えるだけでなく、実際の管理パフォーマンスの監視という観点からも、手間が増えてしまいます。
この様な管理コストの削減は、マルチファミリーの大きなメリットの1つです。
②修繕費などのコスト削減
外装や家の外回り(屋根や庭など)が壊れた場合、マルチファミリーは全世帯の修繕を、一括で行うことができます。一戸建てを複数管理している場合だと、物件ごとに経年劣化や損傷の度合いも異なり、それぞれに合わせた修繕を行う必要があるため、物件を維持するコストも増えてしまいます。
③安定した収入が入る
マルチファミリーだと、1世帯分の部屋が空いたとしても、他の部屋が埋まっていれば、収益が途絶えることはありません。一戸建ては、入居者が退去した場合、そこが空室の間は収益が途絶えることとなります。
また、マルチファミリーのような複数世帯住宅の場合、監視カメラをつけ、セキュリティを強化するなどの付加価値があれば、家賃を上げることができます。一戸建ての場合だと、家賃相場が地域によって決定しているため、リノベーションなどコストをかけて住みやすい家にしても、家賃は一定で、コストを回収できない場合が出てきます。
この様に、収入の面からもマルチファミリーには利点があるのです。
5戸以上は商業ローンとなることに注意
マルチファミリーの投資を始めるときに注意が必要なのは、部屋の数によって利用できるローンが異なるということです。冒頭でも触れたとおり、4戸以下では住宅ローンの対象となりますが、5戸以上の物件は商業ビル扱いとなり、商業ローンを組む必要があります。
住宅ローンは、商業ローンよりも審査の条件が緩いため、投資対象としてのハードルが低くなります。しかし、商業ローンの場合、ローンの審査が厳しく、さらに申請のための手続きも、非常に煩雑になります。
この様な点からも、4戸以下の複数世帯物件であるマルチファミリーは、投資対象として非常に優れた物件であるといえるでしょう。