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ゼロからイチを生み出すことに長けているイスラエル
私たちの日々の生活においてイスラエルのテクノロジーを使っていない日はない、と言えるぐらい、イスラエルは様々な技術を生み出しています。イスラエルの企業はゼロからイチを生み出すことに長けています。私たちがグローバル大手企業の商品だと認識しているものは、実はイスラエルで生まれ、売却されたものであるケースが多いのです。
下記は、イスラエル発の技術の一例ですが、今後、日本企業がその買手になるケースも増えてくるでしょう。
世の中にない技術を求め、グローバル企業300社がR&D (Research and Development)施設を設けています。イスラエルの国土面積はわずか2.2万平方キロメートル(日本の四国程度)、うち6割が砂漠で占められています。この狭い国土に、世界中から人材が集まるシリコンバレーの企業が、人材と技術を求めわざわざイスラエルにも拠点を設けているケースもかなり多いようです。
GDP比でみたイスラエルのハイテク関連の研究開発支出規模は下図の通りです。
ハイテク関連への投資意欲が高い国であることが、ご理解いただけるかと思います。
イスラエルのハイテク関連のエグジット(2012年~2016年)の状況は下図の通りです。
エクジット率およびエグジット額は、比較的に安定しています。
イスラエルのハイテク関連の資金調達(2012年~2016年)の状況は下図の通りです。
資金調達額およびディール数は増加傾向にあるようです。
常に起業家的なマインドが求められる環境
イスラエルは、1948年に建国後、わずか70年の間に6回の戦争を経験しており、いわば常に「戦後」の状態です。また周辺諸国との対立やユダヤ人迫害の歴史などが、彼らを常に「危機感」を持った行動に駆り立てています。明日何が起こるかわからない状況で、生存していくための方法を何もない中から考えるのは、常に起業家的なマインドが求められる環境にあると言えます。
私は昨年、イスラエルへ日本人30人規模のツアーを主催し訪問しました。日本から見たイスラエルは、政治・経済・文化・地理的側面も含めて「遠い国」であると感じます。2014年にネタニヤフ首相の来日、2015年は安倍首相がイスラエルを訪問し、2017年のクリスマスには河野外務大臣がイスラエル企業(スタートアップ起業)を視察しました。政治的には変化しつつありますが、中東産油国との関係を重視してきた経済界としては産油国と緊張状態の続いているイスラエルとの経済交流は進んでいないように感じます。
両国の間に直行便がないことがその一例で、韓国・香港・モスクワ経由でなければ、イスラエルに行くことはできません。昨年開催したツアーでは、大韓航空を利用しましたが、乗客の大半が韓国人と中国人で日本人は私たちだけでした。いかに両国の往来が少ないことを実感しました。
到着した現地のガイドさんにお聞きしたところ、「本日、イスラエルに入国した日本人は50人でいつもより多い」とのことでした。私たちのグループが30人なので、本当に遠い関係であると感じました。
イスラエルと日本における経済交流の展望とは?
しかしながらここ数年は、日本企業との合弁・買収・出資等の大きなニュースも流れはじめています。
2020年の東京オリンピックを控えた日本政府は、国内の電力インフラなどのサイバーセキュリティー強化のため、イスラエル政府と技術協力の覚書を交わすことを決めました。米国と並ぶサイバーセキュリティー先進国の知見を生かしたい日本と、ビジネスとしての展開を狙うイスラエルの思惑が一致した瞬間でした。今後は両国の経済交流は増していくと思われます。
最後に、イスラエルの安全面に関して触れます。イスラエルでは、毎年、国民に防毒マスクを無償支給しています。日本人が防災の日に「防災グッズ」を購入するような感覚なのでしょう。
また、周囲が敵国であることと、少数民族であるがために民族意識が高く人命を重要視する国民性であると感じました。確かに町では高級車はあまり見かけませんでしたが、高価なものを持っていても壊れてしまうので無駄なものに投資はしないのでしょう。
大学施設やホテルには、「非常口」のネオンサインがありました。日本の場合、広域避難場所へ誘導されますが、イスラエルでは核シェルターに避難できるそうです。
※ご参考までに、核シェルター普及率(人口比)は、スイス:100%、イスラエル:100%、ノルウェー:98%、アメリカ:82%、ロシア:78%、イギリス:67%、シンガポール:54%、日本:0.02%と言われています。
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