今回は、ビットコインの価格変動に影響を与える情報について見ていきます。※本連載では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる仮想通貨」を運営するBULLヒロ氏に「仮想通貨投資」の基礎知識について解説していただく。

現状、各国の規制・緩和情報に大きく影響を受けている

BULLヒロです。「3分で分かる仮想通貨」という、仮想通貨情報サイトを運営しております。

 

前回は、仮想通貨への投資は株と比較してどのようなリスクがあるのかというテーマで筆をとらせていただきました。今回は、ビットコイン投資における主な情報収集の仕方について解説します。

 

2018年7月現在、仮想通貨の種類は1,600を超えており投資対象の選択肢は数多くあります。しかし、ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)に投資するにしても、ビットコインの市況把握は欠かせません。

 

なぜなら、ほとんど全ての仮想通貨がビットコイン建てで取引されているからです。そのため、ビットコインの価格が上がると、ビットコイン建てで購入できるアルトコインの数量が上がり、結果として需要が高まることで時間差でアルトコインの価値も高まります。

 

このような構造から、ビットコインの価格とアルトコインの価格は相関関係にあります。ビットコインの価格は、株式投資でいうところのニューヨークダウや日経平均に近い存在と捉えるといいでしょう。今回は、そのビットコインの価格に影響する情報と、その情報の取得の仕方を覚えていきましょう。

 

◆各国の規制および緩和情報

 

国家などの中央集権組織の制約を受けず、ネットワーク参加者のみによる維持を目指したビットコインですが、各国の規制および緩和の影響を大きく受けているのが現状です。これは仮想通貨の直接の利用用途が現在はほとんどなく、実際に利用する時には法定通貨に換金する必要があり、その影響を受けているためです。

 

最も顕著に影響が出たのは2017年9月の中国での仮想通貨取引禁止措置で、短期間で大幅な下落が発生しました。各国の規制情報は情報ソースが定かではない、いわゆる「FUD」も多いので、Coindeskなどの比較的信用のおけるメディアで情報を取得します。

 

各国の規制となると日本国内の主要な経済メディアでも取り上げられますが、メディアに露出した時点で、すべて価格に織り込まれた後である可能性が高いです。仮想通貨関連のWEBメディアの中で、比較的情報の信憑性が高いメディアからの情報収集をお勧めします。

 

◆金融商品との相関性

 

これについては、私も研究中で確実な事は言えないですが、一般的な金融商品の資金循環の一部に仮想通貨が加わりつつあると考えています。例えば、金とビットコインの価格に逆相関率が徐々に高まっています。下記の過去1年チャート比較を見ても、常に逆相関しているというよりは、ビットコイン売却時の退避先の1つとして金が買われている印象です。

 

 

その他にも特定の通貨がインフレになると、退避先の1つとしてビットコインが買われる傾向があります。過去にはキプロス危機でビットコインが買われ逆相関になり、現在もユーロとの逆相関が指摘されています。

 

今後は各種法整備が進み、ETF取引が開始されると、より大きな資本の参入が見込めるため、金融商品との相関・逆相関性は、より高まっていくと考えています。

ビットコインの「マイニング報酬」は徐々に縮小!?

◆ビットコインの難易度調整

 

ビットコインのシステムは、主体的にネットワークに参加しているマイナーが、コンピューターの計算リソースを貸し出す対価としてマイニング報酬や手数料報酬を受け取ることで成り立っています。

 

マイニング報酬は一定ではなく、将来の普及期に向けて徐々に受け取る報酬額が小さくなるように設計されています。この調整を難易度調整といい、難易度が調整されるとそれまでネットワークに参加していたマイナーが、より報酬条件の良い仮想通貨のマイナーに移動する傾向があります。

 

マイナーは自分がマイニングしている仮想通貨を多く持っているため、その売り買いによる影響で価格が上下すると言われています。ビットコインの難易度調整に関する情報は、BitcoinWisdomをご覧ください。

 

◆ドミナンス

 

先ほどもご説明しましたが、仮想通貨市場で急速にその数を増やしているアルトコインのほとんどはビットコイン建てで購入します。つまり、ビットコインの価値が上昇すると、アルトコインを買いつける資金も急激に上がります。

 

そのような関係性のため、ビットコインの急騰後には時間差でアルトコインが上がるなど、順相関の関係にあります。

 

この動きを表しているのが、仮想通貨市場の中のシェア率を比較しているドミナンスに関する情報です。

 

ドミナンスから、ビットコインの資金の集まりすぎ、抜けすぎをトレンドとして捉えることができます。ビットコインとアルトコインの間を抜けたり戻ったり、振り子のように繰り返すドミナンスのトレンドを追いかけて、どちらに資金が動いているのかを確認するといいでしょう。ドミナンスの確認には、Coinmarketcapをご確認ください。

 

本日はこちらまで。次回は、ビットコイン以外の通貨への投資における情報収集の仕方について解説していきます。

本メディア並びに本メディアの記事は、投資を促したり、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、合同会社幻冬舎ゴールドオンライン、幻冬舎グループは、本メディアの情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

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