美術品の購入だけでは経費にならない⁉
テレビを見ていると、「美術品を節税目的で購入した」と言う話を耳にします。実は、美術品は購入したからといって経費にできません。それでは、どのようなものが美術品に該当するのでしょうか。
『ONE PIECE』より
Q:麦わらの一味の所有する武器のうち、次に掲げるものの中で、経費にできないのはどれか。ただし、作中でただで手に入れたものも、いくらかのお金を支払って買ったものとする。
①ウソップハンマー
②天候棒(クリマ・タクト)
③黒刀秋水(こくとうしゅうすい)
④ランブルボール
A:正解は「③黒刀秋水」でした。
通常、物を買うと、支払いが確定したときに経費にできます。減価償却資産であれば、使ったときから何年かに分けて経費にできます(※書籍『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』P152参照)。
ウソップハンマー、天候棒は減価償却資産、ランブルボールは消耗品になりますが、刀のような美術品で「時の経過により価値の減少しない資産」はずっと経費にできません。
しかし、黒刀秋水が100万円未満なら減価償却資産として何年かに分けて経費にできます。あるいは、ゾロがかつて使っていた「雪走(ゆきばしり)」のように供養した時点で全額経費にできると考えられます。
100万円未満の美術品は減価償却資産に該当するが…
以前は、美術関係の年鑑に登載されている作者の制作に係る作品であるか、取得価額が20万円以上であるかにより、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかを判定していました。しかしながら、年鑑の掲載基準がそれぞれ異なるのではないか、また、20万円は低すぎるのではないかといった指摘があったため、改正が行われました。
現在は、100万円未満である美術品等は原則として減価償却資産に該当し、100万円以上の美術品等は原則として非減価償却資産に該当します。
なお、100万円以上の美術品であっても、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」に該当する場合は、減価償却資産として取り扱うことが可能です。
<まとめ>
美術品や骨董品は、経費にするのが難しく、節税目的での購入はすすめない。