会社の経費にできる支払い…どんな要件がある?

さんきゅう倉田
会社の経費にできる支払い…どんな要件がある?

本連載では、東京国税局での勤務を経て、フィナンシャルプランナー、芸人として活躍するさんきゅう倉田氏の著書、『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)の中から一部を抜粋し、経費・減価償却など、会社に関連する税金の基礎知識を、有名な漫画の事例に当てはめて学んでいきます。

「事業に関連しない支払い」は経費にはできない

あなたの支払いの全てを、恣意的に法人や個人事業の経費にすることはできません。経費にするためには、合理的な決まりがあって、それを守らなければならないのです。

 

『ドラゴンボール』より

 

Q:フリーザを、不動産業を営む法人の代表取締役と考えた場合、経費にできないものは次のうちどれか。

 

① スカウターの月額使用料、パケット代、本体購入代金

② 戦闘服の購入代金

③ ギニュー特戦隊がナメック星に出張したときの手当

④ 孫悟空に倒された後に機械で半身を改造した費用

 

フリーザは『ドラゴンボール』に登場する宇宙一の地上げ屋。スカウターは他人の戦闘力を測る道具、戦闘服はフリーザの一味が使用する制服、ギニュー特戦隊はフリーザの部下、ナメック星で孫悟空に倒されたフリーザは半身を機械にすることで命を取り留めました。

 

A:正解は「④孫悟空に倒された後に機械で半身を改造した費用」でした。

 

事業に関連しない支払いは経費にできません。改造が、仕事である各星の異星人を絶滅させるために役立つとしても、おもに生命を維持するために必要であり、経費にはできないと考えられます。

 

仮に、フリーザが初めから機械の体を持っていれば、改造にかかった費用は、フリーザの価値を高めるものとして「資本的支出(本書『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』P.160参照)」になります。

 

また、肉体の改造ではなく、武器や防具として着脱できるアタッチメントであれば、消耗品あるいは減価償却費として経費にできます。また、メディカルマシーンは減価償却資産>器具備品>回復訓練機器>6年に該当しますので、6年で減価償却費として経費にします。これらは、フリーザの業務に関連する支出となりますので、経費にできます。

経費にできる主なものは「売上原価・一般管理費」など

経費について、知っておきたい基本的な知識を以下にまとめてみました。

 

事業所得、不動産所得、雑所得で経費にできる主なもの

●売上原価・収入を得るために直接要した費用・販売費・一般管理費

 

必要経費の注意事項 ~プライベートと仕事を分けよう~

個人の業務においては支出がプライベートと仕事の両方にかかわりがある交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費のうち、経費になるのは業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる金額のみです。

 

主な経費にならないもの

●家族に支払う地代家賃・所得税や住民税・罰金・公務員への賄賂

●家族に支払う給与賃金(ただし、青色事業専従者給与は除く)

 

<まとめ>

仕事に関係がある支払いしか経費にできない。

元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話

元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話

さんきゅう倉田

総合法令出版

私たちの暮らしに深く関わる「税金」。 本書では、難しく感じる税金の話を、人気マンガを例にやわらかく解説!

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