前回はもっとも一般的な企業価値の算出方法である「時価純資産+のれん代」についてお伝えしましたが、今回はそれ以外の算出方法である「DCF法」と「類似比準方式」について、その基本的な考え方をお伝えします。

中小企業のM&A実務ではあまり用いられないDCF法

企業価値の評価方法には、「DCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法」というものもあります。これは上場企業が関わるような、より大規模なM&Aで主に用いられる評価方法です。

簡単に言うと、会社の将来キャッシュフローを、現在の価値に割り戻して企業価値を算出する評価方法です。将来キャッシュフローの予想次第で数値が大きく変わることから、中小企業のM&A実務ではあまり用いられません。

評価方法などはアドバイザーとよく相談する

他には、「類似比準方式」と呼ばれる評価方法もあります。これは、類似する上場企業の株価などを参考に企業価値を算出する方法で、類似企業のPER(株価収益率)などを参考にして企業価値を算出します。評価対象会社の利益×類似会社の平均PER(株価収益率)=評価対象会社の価値という算出方法が用いられます。

 
自社にとってはたしてどの評価方法が適切か、また「時価純資産+のれん代」では、のれん代はどの程度が妥当かなどについては、アドバイザーからの意見を基にして考慮する必要があります。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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