Google、Amazon、Appleは「リップル」に出資
2017年4月に施行された、いわゆる「仮想通貨法(仮想通貨の普及を踏まえた資金決済法の改正)」など、徐々に法整備が進められている仮想通貨。仮想通貨法の施行を受けて、仮想通貨に関する税制にも変化が起きています。以前は税務上「物」と解釈され、消費税の対象になっていた仮想通貨ですが、仮想通貨法の成立により「資産」とみなされることになりました。
その結果、仮想通貨の売買(日本円への換金)で得た利益が年間20万円を超えた場合には、「雑所得」として確定申告する必要がでてきました。整備が進められているとはいえ、仮想通貨に関する法定義には依然として曖昧な部分もあります。また、税制についても検討や改善の余地が多分に残されている、という指摘が少なくありません。
一方で、大企業のなかには今後の仮想通貨の普及、発展を見越して、意欲的に仮想通貨に出資をおこなったり、関連ビジネスに参入したりしている例があります。ここでは海外、国内に分けて、そうした企業の事例を簡単に紹介していきましょう。
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《海外企業》
●Google
グーグル(正確には、グーグルのグループ会社のひとつでベンチャーキャピタルのグーグル・ベンチャーズ)は、仮想通貨の「リップル」に出資しています。
ちなみにリップルは、さまざまな仮想通貨のなかでも人気の高い銘柄のひとつです。「リップル・ネットワーク」と呼ばれる独自の送金ネットワークを構築しているのが特徴で、送金処理の早さ(数秒で完了)や1秒あたりの処理回数の多さが魅力だといわれています。国際送金の多い投資家にも好まれている仮想通貨です。
また、グーグルは仮想通貨決済がおこなえる仕組み(API)を導入することも発表しています。
●Amazon
アマゾンでは近々、仮想通貨による決済を採用すると噂されています。また、グーグルと同じく、アマゾンもリップルに出資しています。Appleも同じく出資をしており、各社のリップルへの関心の高さが伺われます。
海外のIT関連企業が仮想通貨に出資したり、関連サービスに参入したりする動きを強めるなか、フェイスブックは2018年1月、仮想通貨に関する広告を禁止にすると発表しました。禁止理由は、それらの広告が「誤解を招いたり、欺瞞的な広告活動」に関連する可能性があるためです。そう聞くと「フェイスブックは仮想通貨を信頼していない」と思うかもしれませんが、それは拙速な判断でしょう。広告を禁止にした意図は悪質な業者を排除するためであり、同社が仮想通貨の可能性を一概に否定しているわけではありません。むしろ、仮想通貨の勢いや影響力を強く認識しているからこそ、冷静な判断を下しているのではないでしょうか。
ブロックチェーン技術を使った「MUFGコイン」
《国内企業》
●楽天
仮想通貨の決済プラットフォームを手がける企業に出資するなど、以前から仮想通貨に関して強い関心を示していた楽天ですが、アメリカではすでに仮想通貨による決済も導入しています。
2018年2月には、仮想通貨の基幹テクノロジーであるブロックチェーンの仕組みを使って、同社の利用ポイントなどを管理する「楽天コイン」の構想を発表しました。現状、ネット通販のポイントサービスは国を越えての利用が制限されています。その垣根を取り払うことで、国内、海外で自由に使えるポイントサービスの実現を目指しているようです。
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●SBIホールディングス
2016年に「SBIバーチャル・カレンシーズ」を立ち上げ、仮想通貨取引事業への参入を表明しました。現時点でサービス開始には至っていませんが、投資家たちから非常に注目されているようです。
そもそもSBIは仮想通貨関連事業には意欲的なグループで、さまざまなビジネスに参画しています。グーグルやアマゾンと同様にリップルに出資しているだけでなく、リップル社との合弁企業「SBI Ripple Asia」を設立し、ブロックチェーンを用いたフィンテック関連技術の開発・運用、仮想通貨送金サービスなどを展開しています。
また、仮想通貨のマイニングを手がける「SBI Crypto」の設立や、仮想通貨ファンドへの参加などもおこなっています。加えて、SBIは独自の仮想通貨「Sコイン」の発行ならびに決済用プラットフォームの構築を計画しているなど、勢いは留まるところを知りません。
●メガバンク
国内のメガバンクも、仮想通貨に関する取り組みを進めています。
三菱UFJフィナンシャルグループは「MUFGコイン」というブロックチェーン技術を使った独自仮想通貨の発行を予定しています。また、みずほフィナンシャルグループはゆうちょ銀行、数十の地銀と共同で仮想通貨「Jコイン」を扱う新会社の設立を発表しました。
上記2つのメガバンク系コインは、他の仮想通貨と異なり「1MUFGコイン=1円」「1Jコイン=1円」と価格が固定されているのが特徴です。他の仮想通貨のように投機的な妙味はありませんが、価値が変わらないという安心感があります。その意味では、日本円の電子的な代替通貨であり、日常的な買い物や外食などで用いられてこその仮想通貨といえるかもしれません。
なお、三井住友フィナンシャルグループは、仮想通貨の発行はいまのところ表明していません。ただ、行内の売店で仮想通貨の実証実験をおこなうなど、時代の変化に合わせたサービスの検証を進めている模様です。なお、三井住友銀行は仮想通貨取引所の国内最大手「bitflyer(ビットフライヤー)」のメインバンクでもあります。