不動産投資におけるcoopの意味について解説します。

coopとは

coopとはcooperativeの略語で、「共同の」、「協調的」といった意味を持つ言葉です。不動産用語としてのcoopはcooperative apartmentを意味します。アメリカではニューヨーク、特にメトロポリタン地区によく見られる住居制度で、ハワイでもゴールドコーストなどの高級住宅地に存在するものです。

 

日本で一般的に「分譲マンション」と呼ばれるものはアメリカでは「コンドミニアム」と呼ばれるものになります。対してcoopでは部屋を購入して所有権を得るのではなく、部屋の規模に見合う株式を購入し、居住権を得るものになります。

 

住居でもあり、コミュニティでもあるcoop

coopはその名前の通り、居住用の住宅を建築するために建設組合を結成し、土地の購入から建築物の発注など、そのすべてを共同事業として行うものです。将来の居住者が主体となって事業を行うため、細部にわたってこだわりを持った住居を作り上げることができます。

 

建物の建築後、建設組合は管理組合へと移行し、共同で建物の管理を行っていくのです。このような制度であるため、居住者は互いについて最初から情報を得ることができ、一種のコミュニティとして成り立っています。そのため居住権の取得にあたっては、管理組合により厳正な審査が行われるのが特徴です。

 

資産はもちろん、推薦状なども要求されます。高給coopでは隣人として受け入れられる品格も求められ、面接が行われることもあるのです。面接では取得目的や部屋の利用方法などこと細かな質問が行われ、その回答により好ましい人物かどうかが判断されます。審査基準については明示の必要がないとされているため、審査に落ちた場合でも理由が明かされることはあまりありません。

 

投資面から見た場合のcoopについて

coopの部屋の居住権を得るということは、より正確に言えば管理組合が保有する株式を購入し、それに見合ったスペースを占有する権利を得るということです。具体的な不動産を取得するのとは異なり、権利譲渡証は発行されません。coop全体の所有者はあくまで管理組合です。固定資産税は株式の持ち分に応じて分割され、毎月の管理費に含まれて請求されます。

 

coopはその性質上、あらゆる面で厳しいルールが定められており、所有権の取得には事前の注意が必要です。例えば賃貸物件としての利用は禁止されている場合があります。セカンドハウスとしての利用や、親からその子への居住権の譲渡も認められていない場合も少なくありません。

 

このような制約の多さから、coopの建築は近年ではほとんど行われず、ハワイのcoopも1950~60年代のものが多いのです。しかしあくまでも不動産ではなく、株式の所有という形態になるため、減価償却の計上ができないことも心得ておかなくてはなりません。

 

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