不動産投資におけるレントロールの意味について解説します。

レントロールとは

レントロールとは賃貸用不動産の現況を示す資料のことで、日本語では家賃明細表、あるいは貸借条件一覧表などと呼ばれています。ビルやアパート等において、個々の部屋がどのような条件で貸し出されているか、実際にどんな人たちが入居しているかといったことを一覧できるようにしたものです。その内容をチェックすることで該当物件に係る将来性などを推測することができるため、投資判断を行う際の参考資料となります。建物を一棟買いする場合はもちろんですが、区分所有する場合であっても現状把握の役に立ちます。

 

レントロールには国際的に統一された書式といったものはなく、記載項目もまちまちです。これは国内においても事情は同じです。また、海外からの不動産投資を積極的に歓迎している国や地域であれば別ですが、通常は現地の言葉で記載されています。そのため、記載内容を正しく理解するためには、自らが語学に精通するか、エキスパートの助力を仰ぐかのいずれかが必要となります。情報が詳細で正確であるほど投資判断はしやすくなるため、見方を変えればそのようなレントロールが作られる慣例のある国や地域ほど、投資しやすいということになります。

 

記載情報から投資の可否を判断

レントロールの書式や内容が千差万別とはいえ、おおむね共通する記載事項は存在します。というより、投資を検討する際にはそのような項目を備えたレントロールの提出を現オーナーから、あるいは投資会社から求めることが重要になります。

 

レントロールの標準的な記載事項として挙げられるのは、各室の広さや間取りといった基本情報、賃料・保証金・共益費といった経済価値に関する情報、入居年月・契約期間・属性といった賃借人に関する情報などです。これらの情報を分析することで、投資の適否を判断することになります。

 

たとえば同じタイプの部屋で、入居年月ごとに家賃の額にばらつきがある時は、その推移によって資産価値の変動を把握することができます。保証金の額についても同様です。直近の家賃水準を基準にすれば、将来の利回りをシミュレートすることが可能になります。

 

さらに、共益費や電気料金等の額については、現地の相場から見て妥当か、つまり適正に運営されているかどうかを判断することが必要となります。

 

また、入居年月が同時期に集中していれば、一斉退去のリスクが高いと推測されます。それが直近の場合は、売却時の価値を高めるために現オーナーが何らかの手段で無理に空き室を埋めていたりする可能性もあります。

 

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