不動産投資におけるリファイナンスの意味について解説します。

リファイナンスとは

リファイナンスとは、英語で書くとrefinanceとなり、直接的には借入金の借り換えを意味する言葉になります。ただしリファイナンスと一口に言っても、経済活動のさまざまな場面で使い分けられているのです。

 

例えば企業での財務活動では、借入や社債により調達した資金を償還するため、新たに融資の組み換えや借り換えを行うことを意味します。輸入金融では、金融機関が輸入業者に対し、決済に必要となる外貨を現地で融通する取引のことです。不動産金融では二つの意味があります。一つは住宅ローンに必要になる資金を、金融機関が住宅抵当証書を担保にして機関投資家から調達することです。もう一つは個人向けの住宅ローンの借り換えになります。

 

日本の個人向け住宅ローンにおけるリファイナンスとは

日本で一般的に耳にするのは、個人向け住宅ローンのリファイナンスです。

 

住宅を購入する際、多くの人が住宅ローンを利用します。しかし20年、30年といった長期に及ぶことの多い住宅ローンでは、その契約期間中に金利が大きく変動することも珍しくありません。そこで、固定金利ローンの場合は金利が下がったタイミングでリファイナンスを行うことで、ローンの支払利息の圧縮が実現できます。また変動金利ローンで契約していた場合、金利が上昇傾向の場合に固定金利ローンへリファイナンスすることで、支払額を抑えることができるのです。

 

アメリカではリファイナンスが家計と社会経済に組み込まれている

アメリカでは日本と異なり、住宅の住み替え、買い替えを頻繁に行う文化があるため、中古住宅でもあまり値崩れしないという事情があります。そして2000年以降、不動産価格は一時落ち込みも見せたものの、全体的には上がり続けてきました。そのため住宅購入時に組んだローンの残高と、住宅の現在の担保価値を比較した際、担保価値の方が大きく上回ることになったのです。そこで、現在の担保価値をもとに新しく低利のローンを組み、以前のローンの残額を返済し、余った借入金を自由に使える資金とすることができました。

 

これはキャッシュアウト・リファイナンス(Cash-out refinance)と呼ばれるものです。もちろん売却ではなく借入である以上、このリファイナンスには、万一住宅価格が下落した場合、返済が滞るリスクが存在します。また組み換えにより完済までの期間が延びることになるのです。しかしこのリファイナンスで得た資金により、新たな住宅や自動車の購入といった消費活動が支えられてきました。アメリカでは個人のリファイナンスが、社会経済にも多大な影響を与え続けているのです。

 

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