金額交渉ては、オーナー社長とアドバイザーでよく相談して、客観性を主張しやすいラインを決めることが大切ですが、数字には根拠が求められます。ここでは、相手から信頼を得るための、条件提示のタイミングについてご説明します。

後出しジャンケンはご法度!

オーナー社長と分身としてのアドバイザーが協力してM&Aを進めるうちに、事業内容や事業エリアなどに関心を持った買い手が現れてきます。

いうまでもなく、買い手としてもっとも気になるのは「どういう会社で、いくら?」という点です。

 

アドバイザーに任せる最初の金額交渉にあたっては、オーナー社長とアドバイザーでよく相談して、客観性を主張しやすいラインを決めます。

いくらかの幅を持たせた金額を設定したうえで、アドバイザーにはその上限価格を持っていってもらうのも一つの戦略です。

 

金額交渉にあたっては、「後出しジャンケン」にならないようにすることが大切です。

「まず買い手の希望を聞いて」というスタンスでは、「買い手の希望を考慮します」という意図だけが強調されてしまいがちです。

アドバイザーは数字の根拠を用意している

M&Aでは、売り手と買い手のいずれかが「100対0」で言い分をすべて通すといったことはあり得ません。

外からは適正価格の見えにくい相対の取引とはいえ、中立的なアドバイザーが売り手に付き(買い手にも付くことがある)、いわばプロの目から見た客観的な価値算出が担保されているわけです。

 

売り手の希望金額には幅を持たせ、まずは最高を持っていくにしても、「なぜその数字なのか、根拠は何か?」という点について、アドバイザーはきちんと説明資料を用意しています。

 

そのような自信も裏付けもある数字だからこそ、先に出して交渉のイニシアチブを取るのです。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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