胸襟を開き、アドバイザーを自らの分身に
アドバイザーと社長との相性も大事です。
A社には向きそうな「攻め」のタイプのアドバイザーがB社では活かせず、むしろ「バランス派」が活躍できるといったことは往々にしてあることです。
そして、M&Aをいよいよ開始するというときまでには、M&Aコンサルティング会社を一社に絞り、専任契約を結ぶことをお勧めします。
逆にオーナー社長の立場から見れば、「(同じ費用を払うとして)いかに自分と会社のために、真心を込めて誠心誠意働いてくれるか?」と考えてみればよいでしょう。
会社を経営してきた人だけに、そのあたりの機微は心得ている人が多いものです。
嘘をつかず、会社のことは包み隠さずに話すのは当然として、アドバイザーと何度か会っているうちに、自分の思いや身の上を隠さず話し、心を開く。自分の懐に、アドバイザーたちを取り込んでしまうのです。
社長の人間力がアドバイザーを見方にする
そのようにオープンな態度の社長には、アドバイザーも意気に感じ、「何とかしてあげたい」と思うものなのです。
こうした信頼関係が成立すれば、アドバイザーはオーナー社長の分身そのものです。最善策を提案してくれ、買い手が多少無理をいってきても、防波堤の役割を 果たしてくれるようになります。社長自身の力に、分身としてのアドバイザーの力が加わったとき、M&Aの成算はグッと高まるのです。