M&A後、オーナー社長の手元に残る資産は、タックスプランニングをしているかいないかで大きな差が出ることもあります。ここでは、どのような心構えをしておくべきかについて説明します。

税金のプランニングと資産の管理、使い方

M&Aが終わると、前オーナー社長の元にはまとまった資産が入ってきます。自身の退職金やM&Aによる株式譲渡で得た現金、また事業譲渡の場合は、会社からの配当金や退職金・・・。

資産のかたちや組み合わせはさまざまですが、現金化しにくかった非上場株式や事業を“現金同等物”に換えられたということには変わりありません。

なかには、売りっぱなしのオーナー社長がいるのも事実です。

社長時代から、会社の数字のことは気心の知れた右腕の役員に、家のことは奥さん任せ、といった人が典型です。社長をしてきた人なら想像がつくでしょうが、M&Aによって多額の資産を得るほど、翌年には驚くような額の所得税や住民税を支払わ なければなりません。

 

相応の資産が残る分、タックスプランニングをしているかいないかで、手残りには大きな差が出ることもあります。また、売却直後のタックスプランニングが万全でも、いずれ資産を家族に相続する際に、相続税制から見て非効率な資産活用をしていたり、トラブルの種が残ったりすることもあります。

売却後の“財産コンサル”もできるアドバイザーが理想

優れたM&Aのアドバイザーは、アフターM&Aの事情や有効な対処法にも長けています。つまり、財産コンサル的なノウハウも併せ持っているのです。

自身のハッピーリタイアメントのためにも、また子どもなどに効率よく、無駄なく資産を相続するためにも、M&Aを決心するときからアフターM&Aを視野に入れておくことが理想的です。

そしてM&Aのアドバイザーを探すときも、アフターM&Aの視点をもって、質問などをしてみることです。優秀なアドバイザーなら、知ったかぶりではなく親身になって相談に乗ってくれたり、社内の別の信頼できる人などを紹介してくれるはずです。

 

 

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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