税金のプランニングと資産の管理、使い方
M&Aが終わると、前オーナー社長の元にはまとまった資産が入ってきます。自身の退職金やM&Aによる株式譲渡で得た現金、また事業譲渡の場合は、会社からの配当金や退職金・・・。
資産のかたちや組み合わせはさまざまですが、現金化しにくかった非上場株式や事業を“現金同等物”に換えられたということには変わりありません。
なかには、売りっぱなしのオーナー社長がいるのも事実です。
社長時代から、会社の数字のことは気心の知れた右腕の役員に、家のことは奥さん任せ、といった人が典型です。社長をしてきた人なら想像がつくでしょうが、M&Aによって多額の資産を得るほど、翌年には驚くような額の所得税や住民税を支払わ なければなりません。
相応の資産が残る分、タックスプランニングをしているかいないかで、手残りには大きな差が出ることもあります。また、売却直後のタックスプランニングが万全でも、いずれ資産を家族に相続する際に、相続税制から見て非効率な資産活用をしていたり、トラブルの種が残ったりすることもあります。
売却後の“財産コンサル”もできるアドバイザーが理想
優れたM&Aのアドバイザーは、アフターM&Aの事情や有効な対処法にも長けています。つまり、財産コンサル的なノウハウも併せ持っているのです。
自身のハッピーリタイアメントのためにも、また子どもなどに効率よく、無駄なく資産を相続するためにも、M&Aを決心するときからアフターM&Aを視野に入れておくことが理想的です。
そしてM&Aのアドバイザーを探すときも、アフターM&Aの視点をもって、質問などをしてみることです。優秀なアドバイザーなら、知ったかぶりではなく親身になって相談に乗ってくれたり、社内の別の信頼できる人などを紹介してくれるはずです。