「最終契約書を交わす」ことをひとつの到達点としたとき、その後に情報を伝える相手、その前に情報を伝えておく相手など、立場によってさまざまなケースが想定されます。ここではその具体例をご紹介します。

最終契約と同時にやるべきこと

晴れて最終契約書を交わすことができました。

 

その際、その前日や当日、もしくは翌日の朝礼などで、前社長の大事な仕事があります。
それが、従業員への告知です。

これまで働いてくれたことに対する謝意を込めて、株式を譲渡したなど、M&Aに至った経緯と目的(従業員の雇用確保など)を真摯に伝えます。

それと同時に、(株式譲渡の場合は)明日以降も組織は存続し、雇用や雇用条件が守られることもしっかりと伝えます。

 

また、新会社の魅力(会社の規模や知名度、保険制度の充実など)も告げ、引き継ぎのために自身が残る場合は、その旨を伝達しておきます。

 

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基本合意契約後、キーマンにはM&Aを通知する

告知には例外があります。それはキーマンに対してです。

これらの人には、基本合意の契約が済んだ後に、情報が漏れないように個別に面談して、事実を話しておきます。その主な理由は引き留めにあります。ただし、無理な引き留めではなく、引き続き力を発揮してほしいというスタンスがよいでしょう。

 

なぜ基本合意後に話すのかといえば、それは買い手企業への配慮もあるからです。買い手が上場企業など大手の場合、プレスリリースなどでM&Aの概略を発表します。そのタイミングが基本合意契約後のことが多いからです。その前に情報が拡散すると、インサイダー情報になってしまう可能性があります。

 

また、稀には、買い手企業が、事前にキーマンと直接会いたいと望むようなケースもあります。

ケースによりますが、もし買い手が基本合意締結の条件としてキーマンとの事前面談と残留を求める場合、例外として基本合意契約の前に、オーナー社長からキーマンと買い手企業との面談をセッティングすることもあります。

 

従業員への告知と併せて、取引先にも最終契約後に速やかに告知をします。

銀行や利害関係者への告知はアドバイザーと相談を

例外が、取引銀行や少数株主などの利害関係者です。一般に、銀行に関しては最終契約の前に告知します。融資にあたっての銀行との契約内容をよく確認のうえ、告知のタイミングはアドバイザーとよく相談してください。

このあたりはオーナー社長がひとりで考えるのではなく、アドバイザーとよく相談のうえ、最適なタイミングで伝えるようにしましょう。

 

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本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。 創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくこと…

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