今回は、賃借人との賃貸借契約の解除に有効な、3つの手法について説明します。※本連載は、弁護士法人サン総合法律事務所代表・パートナーの清水俊順弁護士、パートナーの高村至弁護士による編書、『借地借家事件処理マニュアル』(新日本法規)より一部を抜粋し、賃貸借契約の解除・解約の進め方を、事例を交えて分かりやすく説明します。

催告解除なら、期限の徒過を停止条件とする手も

(1) 催告解除をする

 

賃貸借契約を解除する場合には、原則として相当期間を定めて催告をし、期間内に履行がない場合に契約を解除することになります。もっとも、催告の通知後に改めて解除の通知を行うことは迂遠です。

 

そこで、相当期間を定めた催告と同時に、「本書面到達後7日以内に支払がない場合には、同期間の経過をもって本件賃貸借契約を解除します」というように期限の徒過を停止条件とする解除も有効です。停止条件付解除の意思表示をする場合には、相当期間経過後に改めて解除の意思表示を行う必要はありません。

契約解除ができない場合、支払督促や少額訴訟も検討

(2) 無催告解除をする

 

催告をせず解除をする場合には、賃借人に解除通知を発送することになります。解除の通知は、通知の内容及び到達の日時を証明するために配達証明付内容証明郵便で発送するのが一般的です。

 

(3) 滞納賃料の請求をする

 

契約の解除ができない場合には、合意解約を検討するか、あるいは賃借人に対して滞納賃料の請求を行うことを検討するしかありません。滞納賃料の請求は、当然訴訟でも行うことができますが、支払督促や少額訴訟を利用して滞納賃料を回収することも可能です。

借地借家事件処理マニュアル

借地借家事件処理マニュアル

清水 俊順,高村 至

新日本法規

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