「不動産仲介業者」を活用した共有不動産トラブルの解決法

前回は、共有不動産のトラブルに強い司法書士、弁護士の選び方を解説しました。今回は、「不動産仲介業者」を活用した共有不動産トラブルの解決法を見ていきます。

第三者的な立場からサポートが可能な不動産仲介業者

共有名義不動産をめぐりトラブルが生じた場合、「10年以上も賃料収入をもらっていない」など、これまでのいきさつに対する遺恨や不平不満が一気に噴き出したり、親族間の微妙な関係性があるために、共有者同士の話し合いだけで解決するのは困難であることが少なくありません。

 

また、共有状態を解消する手段としては、前述のように第三者に持分を売却する方法が効果的になります。しかし、通常の不動産と異なり持分の購入者は非常に限られてくるので、独力で買い手を探すことは容易ではありません。

 

したがって、共有名義不動産のトラブルを解決するためには、当事者間の交渉を第三者的な立場からサポートし、必要があれば持分の買い手を見つけることができる専門家が必要となります。そして、その役目を果たすことができる専門家は、不特定多数の人を相手に不動産の売買等の仲介を行うことが認められている不動産仲介業者しかいないのです。

 

広範な投資家ネットワークの有無が重要に

共有名義不動産のトラブルに悩む人たちが心から満足できるサービスを提供できる仲介業者を見つけ出すためには、どのような点に注目すればよいのでしょうか。

 

まず第一に、広範な投資家のネットワークを持っているか否かを確認しましょう。共有者以外の第三者に持分を売却する場合、買取業者を除けば、持分の購入者は基本的に投資家に限られることになります。したがって、仲介業者が買い手となる投資家を数多く擁していることが、売却の機会を逃さないためには重要となります。

 

第二に、売り手の立場になって契約書を作成してもらえるかどうかもチェックしましょう。たとえば、兄弟、親族らが居住している不動産の持分を売却する際には、「持分を購入した投資家に居住者が追い出されてしまうようなことは避けたい」と思うはずです。そうした売り手の要望に配慮した特約事項も、しっかりと契約書の中に含めることができる業者を選ぶことが望ましいでしょう。

 

第三に、不動産鑑定士、司法書士、税理士、弁護士らの専門家と強固なパートナーシップを組んでいるか否かも大きな判断材料となるでしょう。持分の処分を進める中では「一刻も早く専門家に相談したい」と思うような場面も多々あるはずです。そのようなときに、依頼している不動産仲介会社からすぐに信頼できる専門家を紹介してもらえれば、スムーズな問題の解決が期待できます。

 

ただし、残念ながら、こうした投資家へのパイプを持ち、売り手の立場になって、しっかりとした専門家のチームを組んでくれる業者は、現状はほとんどありません。相続のプロ、不動産トラブルのプロであったとしても、共有名義不動産の扱いは特殊なため、きちんとトラブルに寄り添ってくれる専門の業者をしっかり見極めてください。

 

本連載は、2017年5月26日刊行の書籍『あぶない!!共有名義不動産』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社中央プロパティー 代表取締役社長

1970年生まれ。
2011年に業界で唯一、共有名義不動産の仲介を扱う株式会社中央プロパティーを創業。弁護士、司法書士、不動産鑑定士などの専門家とともに問題解決に取り組む体制を確立し、現在までに約2000件のトラブル解決を手がける。
住宅ローンアドバイザー(社団法人全日本不動産協会認定)、相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザー協議会認定)。

著者紹介

あぶない!! 共有名義不動産

あぶない!! 共有名義不動産

松原 昌洙

幻冬舎メディアコンサルティング

「共有名義不動産」をめぐるトラブルがあとを絶ちません。 たとえば兄弟姉妹の場合、相続の際に現金資産はすぐに分割しても、実家などの不動産は「とりあえず共有で持とう」とするケースは珍しくありません。しかし、「仲の良…

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