仲介と管理を「それぞれ別の不動産業者に依頼する」メリット

専門業者に任せることで、質の高いサービスを得られる

仲介と管理の両方を手がける業者に頼むと、管理はおまけであるばかりか、仲介もままならないことがあることは、前回記したとおりです。

まず大前提として、管理は管理専門の業者の手にゆだねるのがよいでしょう。管理専門の業者に頼むメリットのひとつは、仲介によって自分が利益を得ることがないため、仲介業者を自由に選ぶことができるということにあります。

借り手探しは、集客力のある大手業者にまかせることができます。私の会社の場合、複数の大手業者を通じて借り主をさがす仕組みにしています。

そしてもうひとつのメリットは、管理の質です。仲介と管理の両方を手がける不動産屋さんの場合、どうしても利益の上がる仲介が主となり、管理のほうは力が入りにくくなります。でも、管理専門の業者なら、質の高い管理を提供できます。そうしないと事業が成立しないのですから、当然と言えば当然です。

餅は餅屋・・・専門外のことを期待するのは難しい

より借り手の見つかりやすい賃貸住宅にするために、そしてそれを維持するために、管理はたいへん重要な位置を占めます。

私の経営する管理会社を例にとると、家賃の出納や清掃といった基本的な業務はもちろん、アパート・マンションの顔であるエントランスやロビーのリニューアルのご提案から、内装のリニューアルなど、今部屋を探す借り手の方々がご希望されるであろう部屋や建物を念頭においた、たくさんのご提案を差し上げています。もちろん実行に移す場合には、その手配も手がけます。

また、既存のアパート・マンションのほか、新たに建築される大家さんには、庭の配置や間取り、設備にいたるまでのご相談をお受けしています。

仲介を主とする業者の方々も、プロですから、基本的な業務はとどこおりなくこなしていただけるとは思いますが、それ以上を期待するのはむずかしいでしょう。餅は餅屋なのです。

空き部屋をつくらないためには、集客力の強い仲介者に依頼することと、借り手が飛び込んでくるような部屋に仕上げることの両方が必要です。その両方を同時に得るためには、まずは、それを実現してくれる管理会社にめぐりあうことが必要なのです。