FBARとは、Report of Foreign Bank and Financial Accountsの略で、外国銀行・金融口座報告書を意味します。米国の銀行秘密保護法(Bank Secrecy Act)に基づく制度で、米国人などが海外に保有する金融口座の情報を米国財務省に報告する仕組みです。
この制度の目的は、海外口座を利用した資金隠しや違法行為などを把握することにあります。報告対象となる口座には、銀行口座のほか、証券口座なども含まれます。
FBARの提出義務は、米国市民や米国居住者などのうち、海外の金融口座に対する金融的利害関係や署名権限などを有する人に生じます。
暦年中のいずれかの時点で、対象となる海外金融口座の合計額が1万ドルを超えた場合、原則として報告が必要です。個々の口座が1万ドル以下であっても、複数の口座を合計して基準を超えれば対象となる場合があります。
また、FBARは所得税の確定申告書に添付するものではありません。米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に、専用の電子申告システムを通じて提出します。提出期限は原則として翌年4月15日ですが、期限に間に合わない場合には10月15日まで自動延長されます。
海外口座に関する米国の制度としては、FATCAも知られています。FATCAは、海外の金融機関などを通じて米国人の口座情報を把握する仕組みであるのに対し、FBARは、対象者本人などが海外金融口座の情報を米国財務省に報告する制度です。
両者は別の制度であり、要件を満たす場合には双方の報告が必要となることがあります。米国との税務上の関係がある人は、海外口座の残高だけでなく、報告義務の対象者や提出要件についても確認することが重要です。
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