米国には、外国人や外国法人が米国内の不動産を売却した際、その利益に課税するための「外国人不動産投資税法(FIRPTA)」があります。特徴的なのは、売却時に買主が売却代金の一部を源泉徴収する仕組みです。
FIRPTAは、1980年に制定された「Foreign Investment in Real Property Tax Act」の略称です。外国人や外国法人による米国内の不動産投資について、売却益などを米国で課税するための制度を定めています。
米国内の土地や建物などの不動産そのものだけではなく、一定の米国不動産保有会社の株式など、不動産に関係する権益の譲渡も対象となる場合があります。
外国人などが米国内の不動産を売却した場合、原則として買主が売却代金などの実現額の15%を源泉徴収し、IRS(米国内国歳入庁)に納付する仕組みです。
15%が売却益に対する税率ではなく、原則として売却代金などを基準に計算される源泉徴収率であることが特徴的です。
売主は税務申告を通じて実際の所得や税額を計算し、源泉徴収された金額との差額を精算します。一定の条件を満たす場合には、源泉徴収率が異なる場合や、源泉徴収が免除される場合もあります。
日本でも、非居住者や外国法人が国内の不動産を売却した場合、原則として国内で課税されます。また、売却代金を支払う買主には、原則として売却代金の10.21%を源泉徴収する義務があります。
ただし、売却代金が1億円以下で、買主である個人が自分や親族の居住用として購入する場合など、源泉徴収が不要となる例外も設けられています。
米国のFIRPTAと日本の制度には、外国人などによる不動産売却について、売却代金の支払い段階で税を徴収する仕組みがあるという共通点がある一方で、対象となる取引や税率、例外規定などは異なるため、実際の取引では各国の制度や租税条約を確認する必要があります。
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