国際結婚後に離婚したら税金はどうなる?慰謝料・養育費から「配偶者」の定義まで【国際課税の専門家が解説】

国際結婚後に離婚したら税金はどうなる?慰謝料・養育費から「配偶者」の定義まで【国際課税の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

国際結婚した夫婦が離婚する場合、手続きだけでなく、慰謝料や養育費にかかる税金の取り扱いにも注意が必要です。日本では、一定の要件を満たす養育費などは受取側が非課税となり、支払側も原則として所得控除の対象になりません。一方、海外では国によって制度が異なり、米国では税制改正によって慰謝料の課税関係も変わっています。さらに、事実婚や同性カップルが税法上の「配偶者」と認められるかどうかも、国によって違いがあります。国際課税研究所首席研究員の矢内一好氏が、国際結婚と離婚をめぐる税務上の論点を解説します。

フランスでは事実婚も選択肢に

フランスでは、婚姻以外のカップルの関係を法的に認める制度が整備されており、事実婚に加え、民事連帯契約(PACS)という制度も利用されています。こうした背景から、婚姻届を提出する法律婚以外の形でパートナー関係を築く人もいます。

 

日本でも、婚姻制度やパートナー関係をめぐる制度は変化してきました。2015年3月31日には、東京都渋谷区で、同性カップルの関係を結婚に相当する関係として認める「パートナーシップ証明」を発行する条例案が区議会で可決、成立しました。全国に先駆けた取り組みとして注目されました。

 

さらに、2022年6月15日、東京都議会では、同性カップルなど性的マイノリティのカップルの関係を公的に認める「東京都パートナーシップ宣誓制度」に関連する条例改正案が可決されました。同日、都営住宅に関する条例改正案も可決され、同年11月から、パートナーシップ宣誓をしたカップルも都営住宅への入居を申し込めるようになりました。

 
ただし、パートナーシップ制度によって関係が公的に認められることと、税法上の配偶者

として扱われることは別の問題です。日本のパートナーシップ制度は、法律上の婚姻と同じ効力をすべて認めるものではありません。そのため、税金や相続などの場面では、法律婚の夫婦と同じ取り扱いを受けられない場合があります。

事実婚や同性カップルは税法上の「配偶者」と認められるのか

 

日本の税法上、配偶者として扱われるためには、原則として法律上の婚姻関係にあることが必要です。戸籍上の婚姻関係にない事実婚のカップルは、所得税や相続税などの制度において、法律婚の配偶者と同じ扱いを受けられない場合があります。

 

税法上の配偶者については、所得税基本通達2-46に、次のように規定されています。

 

「法に規定する配偶者とは、民法の規定による配偶者をいうのであるから、いわゆる内縁関係にある者は、たとえその者について家族手当等が支給されている場合であっても、これに該当しない」

 

この通達が示すように、所得税法上の配偶者には、原則として民法上の婚姻関係にある者が該当し、いわゆる内縁関係にある者は含まれません。勤務先から家族手当が支給されていることなどを理由に、税法上も配偶者として認められるわけではありません。

 

また、同性カップルについても、日本では法律婚の配偶者と同じ税法上の取り扱いが認められていないため、配偶者控除や配偶者に関係する相続税の制度などを利用できない場合があります。パートナーシップ制度の普及と、税法上の配偶者の範囲は、分けて考える必要があります。

 

一方、海外には、事実婚のカップルや同性カップルについても、一定の要件のもとで税法上の配偶者に準じた取り扱いを認める制度があります。ただし、制度の内容は国によって異なり、パートナー関係が認められていれば、必ず税法上も配偶者として扱われるというわけではありません。

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