バングラデシュ投資の可能性…豊富な若年労働力と法人税の優遇措置【国際税務の専門家が解説】

バングラデシュ投資の可能性…豊富な若年労働力と法人税の優遇措置【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

インドの東隣に位置するバングラデシュは、約1億7,300万人の人口を抱え、豊富な若年労働力と将来性のある市場を備えた国です。縫製業を中心に輸出産業が発展し、日本企業の進出も進んできました。法人税率の引き下げや輸出加工区、経済特区などの投資優遇措置も設けられています。バングラデシュの経済的な特徴と税制の仕組みについて、国際課税研究所首席研究員の矢内一好氏が解説します。

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若年人口と縫製業が支えるバングラデシュ経済

インドの東隣に位置するバングラデシュは、1947年のインド・パキスタン分離独立により東パキスタンとなりました。その後、ベンガル人としての民族意識が高まり、1971年にパキスタンから独立して現在に至っています。

 

人口は約1億7,300万人で、若年層が多く、豊富な労働力と将来性のある市場という条件を備えています。

 

中国における人件費の高騰などを背景に、ASEAN加盟国をはじめとするアジア諸国へ生産拠点を移転する企業が増え、「脱中国」の動きが注目されています。バングラデシュはASEANには加盟していませんが、縫製業を中心に、こうした生産拠点の移転先の一つとなっています。ただし、中国への投資が数字の上で減少しているというよりも、ASEAN加盟国への投資の伸び率が中国を上回っているという状況です。

 

例えば、ユニクロが2017年当時に縫製などを委託していた生産拠点は、バングラデシュが8拠点、カンボジアが4拠点、中国が87拠点、インドネシアが13拠点、日本が3拠点、タイが3拠点、ベトナムが28拠点でした。依然として中国の拠点数は多いものの、縫製業が盛んなバングラデシュの拠点数はカンボジアを上回っていました。

 

バングラデシュの主な輸出品目は、ニット製品を含む縫製品、ジュートおよびその製品、魚介類、皮革およびその製品、農産品などです。

日本企業の進出とJTによる大型買収

バングラデシュに進出している日系企業は、2015年1月時点で約220社でしたが、2023年1月時点では338社に達しています。

 

日本たばこ産業(JT)は2018年8月6日、バングラデシュのたばこメーカー「アキジグループ」のたばこ事業を取得することで合意したと発表しました。取得価額は約1,645億円(発表時の予定額)で、同社は当時、バングラデシュで2位のたばこ会社でした。JTは同年11月29日に買収を完了しています。

 

このように、バングラデシュは豊富な労働力を背景とする生産拠点としてだけでなく、企業買収などを通じた事業展開の場としても注目されてきました。

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