国際結婚後に離婚したら税金はどうなる?慰謝料・養育費から「配偶者」の定義まで【国際課税の専門家が解説】

国際結婚後に離婚したら税金はどうなる?慰謝料・養育費から「配偶者」の定義まで【国際課税の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

国際結婚した夫婦が離婚する場合、手続きだけでなく、慰謝料や養育費にかかる税金の取り扱いにも注意が必要です。日本では、一定の要件を満たす養育費などは受取側が非課税となり、支払側も原則として所得控除の対象になりません。一方、海外では国によって制度が異なり、米国では税制改正によって慰謝料の課税関係も変わっています。さらに、事実婚や同性カップルが税法上の「配偶者」と認められるかどうかも、国によって違いがあります。国際課税研究所首席研究員の矢内一好氏が、国際結婚と離婚をめぐる税務上の論点を解説します。

慰謝料・養育費の税金は?日本と米国で異なる取り扱い

日本では、離婚に伴って慰謝料や養育費などの支払いが生じた場合、その支払いが学資金や扶養義務を履行するために給付される金品(所得税法第9条第1項第15号、所得税法施行令第29条)に該当すれば、受取側の所得税は非課税となります。

 

一方、支払側も、原則としてこれらの支払いを所得から控除することはできません。つまり、日本では、一定の要件を満たす養育費などについて、受取側は非課税、支払側は所得控除の対象外という取り扱いになります。

 

ただし、離婚に伴う金銭の支払いがすべて同じ扱いになるわけではありません。支払いの名目や実態、金額、支払い方法などによって税務上の判断が異なる場合があります。特に、海外に居住する元配偶者との間で金銭のやり取りがある場合には、関係する国の税制も確認することが重要です。

 

これに対して、米国では、慰謝料(alimony)の税務上の取り扱いが制度改正によって変わっています。かつては、離婚に関する合意などに基づいて定期的に支払われる慰謝料について、支払側の所得控除を認める一方、受取側の課税所得とする制度が採られていました。

 

しかし、2017年の税制改正により、原則として2018年12月31日後に締結された離婚・別居に関する合意などに基づく支払いについては、支払側の所得控除が認められず、受取側も課税されない取り扱いに変更されました。改正前の合意などについては、一定の条件のもとで従来の制度が適用される場合があります。

 

このように、同じ慰謝料であっても、国や制度の改正によって税務上の取り扱いは異なります。国際離婚では、支払う側と受け取る側の双方について、どの国の税法が適用されるのかを確認することが欠かせません。

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