(※写真はイメージです/PIXTA)

定年退職を機に、夫婦の家計が大きく変わることがあります。現役時代の給与が年金に切り替わると、これまで通りの支出を続けることが難しくなり、預貯金を取り崩す家庭もあるでしょう。夫婦の一方が専業主婦(主夫)だった場合、生活費をどう確保するかという話し合いが、思わぬ衝突につながることもあります。

30年ぶりの履歴書…妻が夫に出した「働くための条件」

翌朝、由美子さんは書きかけの履歴書を正夫さんに見せました。

 

「働くことは考える。でも、その前に家のことも一緒に考えてほしい」

 

正夫さんは驚いた様子で、履歴書と妻の顔を交互に見つめたそうです。

 

由美子さんが求めたのは、家事の分担と家計の見直しでした。

 

「私が週に何日か働くなら、その間の昼ごはんは自分で用意してほしい。掃除も洗濯も、今まで通り全部はできないから」

 

正夫さんは最初、「昼食くらいなら」と答えました。しかし、由美子さんが日々の家事を書き出すと、食材の買い出しや献立決め、洗剤などの補充まで含まれていることに気づきます。

 

「こんなに細かいことがあるのか」

 

「毎日やっていると、わざわざ言わないだけよ」

 

夫婦は家計簿も開きました。

 

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月の可処分所得が22万1,544円、消費支出が26万3,979円となっています。

 

正夫さん夫婦の支出は月約23万円で、この調査の平均より低いものの、夫の年金だけでは賄いきれていません。ただし由美子さんは65歳になると、自身の老齢基礎年金、月約6万5,000円を受け取れる見込みです。

 

夫婦が改めて試算すると、妻の年金が始まれば、現在の支出水準なら大幅な取り崩しを続けずに済む見通しです。

 

「俺は、今の赤字がずっと続くと思っていた」

 

正夫さんは、妻の年金が始まる時期や金額を詳しく確認していなかったといいます。

 

それでも由美子さんは、週2日程度のパートを探すことにしました。

 

「少し自分で使えるお金があってもいいかなと思ったんです。ただ、無理をしてまで働くつもりはありません」

 

近所のスーパーで募集していた品出しの仕事に応募し、面接を受けることになりました。採用されるかどうかは、まだ分かりません。

 

正夫さんも、妻が働き始めるかどうかにかかわらず、昼食の用意と週末の掃除を担当することに。夫婦で支出を見直し、預貯金を取り崩す額も確認するようになりました。

 

退職後の家計では、収入が減る時期と新たに年金を受け取れる時期を整理し、必要な生活費を具体的に把握することが重要です。夫婦のどちらかが就労を検討する場合には、勤務時間や収入の見込みだけでなく、家事をどう分担するかについても話し合っておく必要があるでしょう。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧