急激な経済成長を続ける超大国・インドでは、近年、富裕層を中心に「子どもに良い教育を受けさせたい」という教育熱心な親が増えています。しかしその一方で、カースト制度と絡み合った教育格差の実態は、いまだインド社会に根強く残存しています。本記事では、難波昇平氏,椿進氏による著書『超スケール経済インド: 次世代超大国のビジネス地図 』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集し、インドの最新教育事情を解説します。
インドの教育格差
一方で、教育制度の整備はまだまだ発展途上です。校舎が不足している一部の公立学校で、午前のシフトが女子、午後のシフトが男子という「ダブルシフト制」が運用されたり、カースト制度も絡んで公立の設備が不十分だったり、スラムの子どもたちは野外の教育になるなど、教育格差が生まれているのも事実です。また、公立学校と私立学校での教育格差も顕著です。
富裕層の多くは、子どもたちに家庭教師を付けています。中学から寮に入るボーディングスクールもあり、早くからイギリス人の家庭教師を雇って、海外留学させるケースも。黒塗りの高級車で子供を送迎できるような超富裕層は、イギリスかスイスのボーディングスクールに入れることが多いようです。
家事や子育ての負担は、女性の比重が世界的に見ても重いと言えると思います。これはインド社会の考え方や、男性の価値観に由来します。世界各国と比較しても、インドの家庭では男性はほとんど家事をせず、女性が過剰に負担を強いられています(日本もインドと同じくらい偏っていますが)。
女性の社会進出はまだまだ遅れているだけでなく、地方都市では男女差別が根強く残っているところもあります。それが、日本でもニュースになるような性犯罪にもつながっていたりします。すべてのインド人がそうではありませんが、人権感覚といっても良い、このあたりの考え方は、地方や都市の一部ではまだまだ遅れていると言わざるを得ないと思います。これはインドに限りませんが、特に女性は、治安上、用心するに越したことはありません。
難波 昇平
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
パートナー・取締役
椿 進
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
代表パートナー・CEO
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
パートナー・取締役
慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。アジア・アフリカを中心に、海外事業の立ち上げや成長戦略を構想から実行まで担う。日本アイ・ビー・エムではコルカタでプロジェクト駐在を経験し、グリーではプロダクトマネージャーとして米国法人およびグローバル事業の立ち上げに従事。現場と意思決定の双方を知る立場から、事業運営の経験を活かした経営者に寄り添う実践的な支援を強みとする。好きなインドの都市はジャイサルメール、感動した遺跡はエローラ石窟群、思い出のカレーはチングリ・マライカレー。
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連載人口世界一!次世代の世界経済をリードする「新しいインド」を解説
AAIC(Asia Africa Investment and Consulting)
代表パートナー・CEO
東京大学教養学部基礎科学科卒業。ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナー・マネージングダイレクターとして、事業戦略、M&A支援、グローバリゼーション等のプロジェクトを実施。2008年に現AAICを創業し、代表パートナー就任。中国・東南アジア・インド・中東・アフリカ等の新興国において、新規事業育成、市場参入支援、M&A等をコンサルティングと投資を通じて実施。日本初のアフリカ・ファンドも運用。ルワンダでは約200ha(東京ドーム40個分)のマカダミアナッツ農園、タンザニアでは約1760ha(千代田区1.5倍)のコーヒー農園も手がけている。執筆、講演多数。後進の育成にも力を注ぎ、ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学・大学院教授として新興国ビジネス等について教えている。
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